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WECシルバーストン:1-2決めたトヨタ2台に失格処分。レベリオンが繰り上げ優勝

2018年08月20日 09:41  AUTOSPORT web

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スキッドブロック規定違反で失格となったトヨタTS050ハイブリッド
8月19日、イギリス・シルバーストンで行われたWEC世界耐久選手権第3戦シルバーストンで2018/19年シーズン3度目のワン・ツー・フィニッシュを飾ったTOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッドと7号車トヨタTS050ハイブリッドが、スキッドブロック規定違反によってレース結果から除外されることとなった。

 今季開幕戦のスパ・フランコルシャン、第2戦ル・マン24時間で他を圧倒するスピードと強さをみせ、サマーブレイク明けのシルバーストン6時間でもやはりライバルを置き去りにして開幕3戦連続のワン・ツー・フィニッシュを果たしたトヨタ。
 
 しかしレース後の車検において、トップチェッカーを受けた8号車トヨタと総合2位でフィニッシュラインを通過した7号車トヨタの両マシンがスキッドブロックの荷重試験をパスできなかった。
 
 スチュワードの報告によると、8号車トヨタのスキッドブロックは規定の2500Nの荷重をかけた状態でフロント側両サイドが許容範囲の5mmを4mm超えて、たわんだという。また、7号車は同様の試験で左側が8mm、右側で6mmのゆがみが認められた。
 
 この結果、トヨタの2台はLMP1Hテクニカルレギュレーション第3条5号6項『スキッドブロック』に適さない車両であるとして失格処分を受けている。

 トヨタは「今回のサーキット改修で新たに設けられた縁石を乗り越えた時に発生したと考えられる衝撃により、車体前方下部にダメージを負って」いたことが原因としたほか、このスキッドブロックは「2017年初めより使用を開始し、直近では今年の開幕戦のスパで同様の検査に合格しています」とコメント。

 しかし、スチュワードはスキッドブロックは6時間レース内で“通常耐えうるもの”でなければならないとしトヨタ側の意見を退けた。

■レベリオンがワン・ツー。SMPレーシングが17号車が3位に

 トップでチェッカーを受けたセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、フェルナンド・アロンソ組の8号車トヨタおよび、マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ-マリア・ロペス組7号車トヨタの暫定順位結果を取り消す今回の決定は、ハイブリッドが許可された2012年以来、初めてノンハイブリッドLMP1カーが総合優勝を果たしたことを意味する。
 
 ワークスチームがリザルト最上段から姿を消したことで、マティアス・ベッシェ、トーマス・ローラン、グスタボ・メネゼス組3号車レベリオンR13・ギブソンがシルバーストン6時間の勝者となり、アンドレ・ロッテラーとニール・ジャニがドライブした僚友1号車レベリオンR13・ギブソンが繰り上がりで総合2位に。レベリオン・レーシングはWEC参戦後初めて総合順位でのワン・ツーを達成した。また総合3位にはSMPレーシングの17号車BRエンジニアリングBR1・AERが入っている。
 
 なお、トヨタは20日に発表したリリースのなかで「我々は、今後、この判定に対する対応を検討してまいります」と述べており、今回の決定に異議提出を検討しているようだ。