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Tik Tokが流行る理由「大人が理解できないからこそ楽しい」「動画は加工なしで簡単にアップできる」と慶応の特任助教が解説

2018年08月19日 11:21  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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8月17日に放送された『モーニングCROSS』(MX系)に、慶応大学大学院特任助教の正能茉優氏が出演。10代中心に注目を集めている動画投稿SNS「Tik Tok」が流行っている理由を解説した。

まず、正能氏は

「インスタで写真を上げるんじゃなくて、インスタの中でも『ストーリー』っていう機能があるんですけど、15秒のすごく短い動画を24時間限定で公開するっていうのが、今の流れになっています」

と写真ではなく動画を投稿することが流行っていると説明。昨年、流行語大賞に選ばれた"インスタ映え"は、早くも過去のものになりつつあるようだ。(文:石川祐介)

"インスタ映え"狙うのは大変だけど、動画なら気軽に投稿できる


また、正能氏は「Tik Tokも2018年のファーストクォーター(第1四半期)、iOSアプリダウンロード数でいったら1位なんですよ」と今年に入り、YouTubeやインスタグラムなどを抑えてTik Tokが注目されるようになったと話す。

続けて、「Tik Tokの利用者は1日に平均起動43回している」という日本で実施された調査結果を示し、「ダウンロード数もあるし、実際にデイリーに使ってる若者もめちゃくちゃ多い」とその普及度の高さを解説。

Tik Tokが流行っている理由は2つあるとし、次のように語った。

「1つは、ありのままの動作を売りにできるので、『インスタ映え』みたいに1つ写真をアップするのに、3つとかアプリを使ってどうにか"映えた"ものを上げるっていう手間を掛けなくて良いんですよ」

動画は写真と違い加工することが難しい。ただ、そのおかげで気軽に投稿することが可能になったことが、利用者にウケていると語る。

次に、「我々みたいな世代が、何が面白いのかよくわかんないし、使いこなせないからこそ、同世代同士で楽しめるっていうところが売りになっています」と大人世代が理解できないことで生じる"内輪感"も人気の理由だと口にした。

「可愛い私を見て!」の時代は終了なのか

正能氏は「これまでインスタ映えするような写真が撮れるスポットとか、お菓子とかスイーツじゃなくて、イケてる動画が撮れる場所とかアイテムがこれから流行ってくる」と若者の消費傾向も変わってくると予測し、

「これまでのSNS映えって『かわいい』『きれい』みたいなところから、私これを"ワイワイ充"っていう風に名付けたんですけど、みんなが楽しんでる様子を世の中に出していくってことが、これからのSNS映えになっていくんじゃないのかな」

と話した。これまでのSNSは、自分の可愛さや生活の充実度の高さをアピールする内容が多かったが、今後は見ている人が楽しい気持ちになれる投稿が好まれるようになるかもしれない。

そして、正能氏は今後のSNS映えを追求することで起こりそうな動向を解説する。

「これまでは可愛く映ることができる背景とか流行ってるじゃないですか? 動画ではもはや意味がない。だから、背景側が動くようになったりとか、動きを楽しめるっていうのがキーワードになってくる」
「写真映えするうんぬんよりも、単純に様子のほうが大事なので、楽しそうに楽しめる場所とか物が流行るんじゃないかなって思っていて。必ずしもオシャレなものを作るんじゃなくて、みんなが楽しめるってところがキーワードになってくる」

最後に司会の堀潤さんは「数年前まで自分で(動画を)発信するなんてのは日本では浸透しないでしょ、と言われていた。こんなに広がったのは何が理由ですか?」と質問。正能氏は「やっぱりみんな見てほしいんだと思います」と、人から注目されたい欲求は、国籍を問わず誰にもあるようだ。