全日本スーパーフォーミュラ選手権を運営する日本レースプロモーションは、8月18日にツインリンクもてぎで行われたサタデーミーティングの場で、日本における2019年からのTCR車両によるスプリントレース開催を目指す『日本TCRマネジメント株式会社』を設立したと発表した。
2014年に提唱され、現在世界各地で20以上のシリーズが行われるなど、世界的にさまざまなレースシーンで活用されているツーリングカー規定のTCR。多くのメーカーがカスタマーレーシングカーとして車両をリリースしており盛り上がりをみせているが、日本でもスプリントフォーマットでのレース開催に向けた新たな動きが具体化した。
すでにオートスポーツwebでも既報のとおり、JRPではTCR開催に向けた動きを進めていたが、18日にJRPの倉下明社長は、2019年度からの開催を目指しJRP、チームや技術サポートでフォルクスワーゲンやポルシェを手がけた実績があるコックス株式会社、そしてチーム、コンストラクターとして活躍してきた株式会社童夢という3社とともに、『日本TCRマネジメント株式会社』を設立したと発表した。
「2年越しでTCRをスーパーフォーミュラの併催として開催して、相乗効果として盛り上げていけないかという検討をしてきました。ようやく、2社の有力なパートナーを得てやっていける見通しができたので、今回正式に表明したいと思います」と倉下社長は語った。
この場で質疑応答に答えるかたちでシリーズの具体像がわずかながら語られたが、シリーズ名称は現在のところ『TCRジャパン・シリーズ』という名称でTCRを統括するワールド・スポーティング・コンサルティング(WSC)と協議中。レースは1週末2レース制で、「台数については、できれば初年度13台くらい。将来的には20~25台くらいを考えたい」と倉下社長は語る。
「車両としては、現在スーパー耐久にST-TCRクラスがあり、ホンダ・シビックとアウディRS3 LMSが中心になっていますが、パーツの供給体制等を考えると、その2車種が中心になると来年度は想定されます。ただできるだけ多くのメーカー、車種が走っているレースを理想としているので、メーカーについては現在働きかけを進めています」
「エントラントがクルマを買って、手元に届くまでまだ日数がかかることから、初年度から20台以上は厳しいと思う。ただテレビとしても台数が少ないとソフトとして厳しいので、台数を増やす努力をしたい」
また、エントリーについては基本的にはプロドライバーではなく、ジェントルマンドライバーを想定しているという。また、現在ST-TCRクラスとしてTCRを長距離レースで使用しているスーパー耐久との協議も行っているという。
ただ同じTCR車両とは言え、長距離での使用とスプリントでは、燃料タンク等さまざまなモディファイが必要になる。当然スーパー耐久出場チームのTCRスプリント出場はできないことはないが、「そのまま出られるかというとそれは不可能なので、なるべくストレスのない変更で出られるよう、WSCと検討を進めている」と倉下社長は語っている。
スーパーフォーミュラとの併催が考えられているレースだが、具体的なカレンダー等はまだ協議中。ただ、いよいよその姿を現しはじめた日本でのTCRスプリントレース。ファンにとっては、ひさびさに日本でツーリングカーのスプリントが年間で楽しめることになりそうだ。