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ソロシンガー、演技、プロデュース……AAAのグループ力は“個の強さ”にあり

2018年08月18日 11:42  リアルサウンド

リアルサウンド

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 今や“avexの顔”ともいえる存在になった男女6人組グループ、AAA。来る8月29日には12thアルバム『COLOR A LIFE』の発売が決定していたり、9月1日からはドームツアー『AAA DOME TOUR 2018 COLOR A LIFE』がスタートしたりと、グループとして充実した活動を見せてくれている。だが、彼らはグループ活動だけでなくそれぞれの個性を活かしたソロ活動にも精力的だ。


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 例えば、紅一点メンバーの宇野実彩子。彼女のソロ活動スタートは他のメンバーよりもやや遅め。2018年2月14日にシングル『どうして恋してこんな』でソロデビューを果たし、7月18日に2ndシングル『Summer Mermaid』をリリース。10月20日からは初のソロツアー『UNO MISAKO LIVE TOUR 2018-2019 “First love”』を開催することが決定した。キュートな歌声と本格的なダンスを武器とする宇野の初ソロツアーには、すでに大きな期待が寄せられている。一方で、宇野はヘルシーな美しさでも注目を集め、スタイルの良さと美貌を活かして様々な雑誌や商品のモデルなども務めている。『東京ガールズコレクション』に幾度となく出演している様子は、目にしたことがある方が多いのではないだろうか。他にも女優としてテレビドラマや映画に出演をしたり、バラエティ番組や情報番組に出演したり、コラボ商品のデザイン業をこなしたり……。若い女性から抜群の支持を集める彼女は、ファッションアイコンとしても幅広い分野で活躍をしているのである。


 そして、グループのメインボーカル・西島隆弘。彼もバラエティ豊かなソロ活動を行なっているメンバーの一人だ。そして、その活動において着実に結果を残しているから素晴らしい。例えば、俳優業。2007年に『美味學院』(テレビ東京系)でドラマ初出演にして主演を務めると、『タンブリング』(TBS系)、『平清盛』(NHK総合)、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)などに次々と出演。映画デビュー作となった2009年の『愛のむきだし』では、『第64回毎日映画コンクール・スポニチグランプリ新人賞』、『第83回キネマ旬報ベスト・テン・新人男優賞』を受賞。鮮烈な銀幕デビューを果たした。こうして俳優としても結果を残しつつ、2013年にはNissy名義でソロアーティスト活動をスタート。2014年に1stシングル『どうしようか?』をリリースし、現在までに8枚のシングル、2枚のアルバムを発売している。高い歌唱力はもちろんだが、セルフプロデュースを行なうことで最高のエンターテイメントを見せてくれており、今年4月には『Nissy Entertainment 2nd LIVE』の追加公演で東京ドーム公演を実現しているほど。さらに、昨今では雑誌の表紙やグラビアなどにも登場し、2018年8月8日発売の雑誌『anan』では表紙とグラビアを担当。ネット上でも「セクシー」という声が多々挙がり、好評価を得ている。様々な顔を持つ西島。その多面性こそが、西島が一流のエンターテイナーである証拠なのだろう。


 一方、ソロ活動を音楽ジャンル一点にほぼ特化しているのは、メンバーの日高光啓だ。日高はSKY-HI名義でラッパーとしてソロ活動を始め、2013年8月7日には1stシングル『愛ブルーム/RULE』でデビューしている。SKY-HI名義の作品では日高が作詞・作曲に関わることがほとんど。彼の楽曲はラップスキルとともに高く評価され、近年ではファッションアイコンとしても注目を集めるフィメールラッパー・吉田凜音のプロデュースを手がけるなど、活動の幅を広げている。グループの中でもラップを担当することが多い日高。「ラップ担当の人気メンバーがラップでソロデビューしただけ」と思われがちだが、SKY-HI名義の楽曲を聞けば全くの間違いだと分かるはずだ。8月7日から20日までの期間限定で無料配信した6曲入りのMIXTAPE『FREE TOKYO』など自身のアティチュードを音楽活動でも示している。グループの知名度に頼るのではなく、クラブで地道な活動を続けて今の地位を勝ち取る貪欲さ、昨年行なった武道館公演について「自分の中でゴール感がまったくないのが嬉しい限りですね。“ついにここまで来たか!”という高揚感もあまりないんですよ(参照)」と答えるほどの向上心を併せ持つSKY-HIだからこそ、クオリティの高い楽曲を生みだし続けているのだろう。この先も、アーティスト“SKY-HI”として長く活躍していくことは想像に難くない。


 他にも、メンバーの浦田直也は音楽でのソロ活動やライブ、與真司郎は写真集発売などファッション関連の活動やソロライブ、末吉秀太は得意のダンスを活かしたイベントや自身のソロライブなど、それぞれ個性を活かした活動を次々に展開している。各メンバーがこれだけ多才であることから、AAAはグループというよりも強い個を持つアーティストが集結したプロ集団と言っても過言ではないだろう。そして6人が集まったときに発揮されるパフォーマンスは、この先もさらに高まっていくに違いない。(高橋梓)