1997年のF1チャンピオン、ジャック・ビルヌーブは、2019年にフェラーリがキミ・ライコネンと袂を分かち、ジュニアドライバーのシャルル・ルクレールを昇格させるなら、それは大きな過ちであると改めて主張した。
フェラーリは、2019年にセバスチャン・ベッテルのチームメイトとして誰を起用するのかを現時点ではまだ明らかにしていない。
フェラーリのジュニアドライバーで、2018年にザウバーからF1にデビューしたルクレールは、初シーズンに印象深いパフォーマンスを発揮しており、一時はフェラーリは彼を選ぶのではないかとの見方がなされていた。しかし今週初めにはイタリアのメディアは、2014年にフェラーリに復帰したライコネンが2019年も残留し、6年目のシーズンを過ごすことになりそうだと伝えた。
さまざまな憶測がなされているなか、ビルヌーブは、フェラーリは現在のドライバーラインアップを維持するべきであると主張している。
「もちろん、彼(ライコネン)がやってきた仕事をみるべきだ」とビルヌーブはF1の最新のポッドキャスト“Beyond the Grid”においてトム・クラークソンに対して語った。
「彼は今、チャンピオンシップでは3位につけているし、しばしばベッテルよりも速い。本調子じゃないときでもコンマ1秒遅れくらいだろうか。彼はマシン開発においても重要な存在だ」
「今はチーム全体が素晴らしくうまくいっている。だが若い駆け出しをベッテルと組ませたら、ベッテルは何をするだろう? 彼を徹底的に叩き潰そうとするだろう」
「彼が若手をダメにしてしまうか、それに失敗するかのどちらかだ。いずれにしても、2年でフェラーリは遅くなってしまうだろう。それは建設的なことではない」
ビルヌーブは、ルクレールが4度の世界チャンピオンであるベッテルのチームメイトとしてうまく力を発揮するには、ある程度の経験と精神的な準備が必要だとし、そのための期間は、フェラーリではなく中団チームで過ごすべきであると考えている。
「シャルルはまだ時々ミスを犯す。(フェラーリ昇格は)ルクレールにとって良いことだし、素晴らしいことだろうが、フェラーリが彼の準備を整えるにはあと2年かかるだろう」とビルヌーブは説明した。
「フェラーリはメルセデスと同様、ドライバーの育成をするチームではない。フェラーリはトップチームだ。トップチームはドライバーが最高の状態の時、欲しい時に獲得し、報酬を払うものだ」
「だからこそドライバーを育成するためのジュニアチームがある」