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WRC:トヨタ、第9戦ドイチェランドで首位発進。チームとドライバーは競技2日目の降雨を警戒

2018年08月17日 13:21  AUTOSPORT web

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SS1を走るヤリ-マティ・ラトバラのトヨタ・ヤリスWRC
8月16日に開幕したWRC世界ラリー選手権第9戦ドイチェランド。この戦いに3台のトヨタ・ヤリスWRCを投じているTOYOTA GAZOO Racing WRTはオット・タナクが総合首位を奪う好スタートを切った。

 4月の第4戦ツール・ド・コルス以来のフルターマック(舗装路)イベントとなるラリー・ドイチェランド。16日の現地早朝にはサービスパークが置かれるボスタルジー近郊に設けられた5.52kmのステージでシェイクダウンが行われた。

 このシェイクダウンでトヨタ勢はいずれも好タイムをマーク。タナクがトップにつけたほか、ヤリ-マティ・ラトバラが2番手、エサペッカ・ラッピが8番手に続いた。

 シェイクダウンを終えた現地19時過ぎ、ドイツ北東部の街、ザンクト・ヴェンデルの市街地でSS1が行われて競技が開幕。2.04kmの特設ステージで行われたSS1は2台が同時走行するスーパーSSとして行われた。

 コースの各所に牧草を丸めた牧草ロールが置かれた特設ステージは道幅が狭いタイトな設定で最上位クラスを戦うドライバーの多くがアンダーステアに苦しむなか、タナクがステージトップタイムをマーク。前戦ラリー・フィンランドからの連勝に向け好スタートをきった。

 チームメイトのラッピは総合12番手、ラトバラは総合15番手と順位では遅れを取ったものの、首位タナクとはそれぞれ1.5秒差、2.6秒差と僅差。17日(金)から始まる本格的な戦いで順位の巻き返しを図る。

■トヨタのスポーティング・ディレクター「我々はつねに天気を注視」

 チームのスポーティング・ディレクターを務めるカイ・リンドストロームは「最初のSSを大きな問題なく、そしてベストタイムで終える事ができ満足」とコメント。続けて「このラリーで、我々はつねに天気を注視している」と明かした。

「週の初めの天気予報では雨が降らない見込みだったが、どうやら明日の金曜日は降雨がありそうだ」

「もし雨が降ると、ブドウ畑のステージは誰にとっても非常にトリッキーになるだろう」

 総合首位に立ったタナクは「このラリーに向けてのテストを行なったのは今から数週間前だったから、午前中のシェイクダウンでターマックの走行感覚を思い出し、満足できる形で終えることがとても重要だった」と語っている。

「シェイクダウンではクルマに少しセッティング変更を施したけど、全体的なバランスは良好だった。SS1は全体的にかなりタイトで、我々のクルマに合っていないコースだったよ」

「フィーリングはあまり良くなかったから、ベストタイムが出たのには驚いた。きっと、誰にとっても難しいステージだったんだろうね」

 ラッピは「S1ではいい感覚がまったく得られなかったが、明日からのステージとはタイプが大きく異なるので、気にするべきではないだろう。今週は表彰台に上がることが最低限の目標だ」と語ったほか、ラトバラはSS1でエンジンストールがあったことを明かしている。

「スーパーSSでは小さなミスでエンジンが止まってしまったが、だからといって世界が終わったわけではない」とラトバラ。

「このラリーではしばしばタイヤ選択で勝敗が決まるから、明日は天候の変化に注意する必要があるね」

 競技2日目の17日は、ボスタルジーのサービスパーク周辺を中心に計6SSが行われる。このうちSS2とSS5、SS3とSS6はモーゼル河畔に広がるぶどう畑が舞台のステージ。

 ぶどう畑のなかを抜けるステージは道幅が狭く、ヘアピンや90度のタイトコーナーも多く待ち構えているほか、雨が降ると路面が滑りやすくなるため、ドライバーには細心のドライビングが求められる。

 6SS合計の走行距離は101.42km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は449.52kmだ。