写真 ル・マン24時間の興奮から2カ月。WECスーパーシーズンは第3戦を迎えました。湯船につかりたくなるほどの寒さを感じるイギリス・シルバーストンから、走行前日の様子をお届けします。
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トヨタの初優勝に沸いたル・マン24時間から2カ月。2018-2019のWEC“スーパーシーズン”第3戦の地、イギリスはシルバーストンにやってまいりました。
「涼しいところに行けてラッキー」と猛暑の日本を飛び出したまでは良かったのですが、降り立ったイギリスは「寒っ!」のひとこと。思わず浴槽にお湯を張ってしまった渡英初日でした。身体にはこたえますが、まずは走行前日=木曜日にサーキットで目撃したあれこれをお届けしましょう。Endurance Race is back!
昼前からピットロードを散歩してみると、意外やすでにドライバーたちも到着しています(トヨタは午前中からドライバー込みのピットストッププラクティスをしていました)。
今回、LMP2に挑戦するということで注目を集めているアンソニー・デビッドソンを早速発見。乗り込むのはドラゴンスピードが走らせる赤いカラーリングの31号車オレカ07なのですが、ウエアは同チームからLMP1に出場するBR1の色をモチーフにしたもののようですね。
その背中には、LMP1のカーナンバーである『10』という数字も。
トリオを組むことになるパストール・マルドナドと談笑……というかギャグの応酬? このチーム、とにかく雰囲気が明るいんですよね。激戦区のLMP2で、今回は注目の1台となりそうです。
そうこうしていると、トヨタTS050ハイブリッドが車検場からピットへと戻ってきました。今回はハイダウンフォース仕様のエアロをまとっています。フロントセクションとリヤセクションが、ル・マンとはまったく異なっています。
個人的には、ゴテゴテしているこっちの方が好みかも。ル・マンを走ったロードラッグ仕様と比べれば圧倒的にテスト時間も少なかったはずで、走り出しのマシンバランスが気になるところですねぇ。
木曜日ということもあってか、各チームの“ガード”はかなりユルめ。ピットロード側からは写真も撮り放題なのですが……。
トヨタを含めたLMP1勢で、唯一“ブロックモード”だったのがレベリオン・レーシング。写真を撮ってたら、目の前にサッとパーテーションを立てられてしまいました。世知辛いなぁ。
ま、しばらくしてまた前を通りかかったら、風にあおられてパーテーション倒れちゃってましたけどね(笑)。でも誰も直しにこないし、そもそも隠せる面積も少ないし、いらないんじゃね? と思った次第。
一方、今年『ワークス感』をアピールしまくっているBMWさんは、ピットの前にマシンをでーん! と放置ですよ。ココんちはファクトリーも洗いざらい見せてくれるし(auto sport特別編集『ル・マン24時間2018』をチェック!)、「見られて困るもんなんてないぜ」という男気を感じます。
というか、そもそも『見られること』に対する意識がヒジョーに高いんでしょうね。パーテーションのエンブレムも、せっせと磨いておりました。このBMWのピットの内装、ホントにカッコいいので、ぜひWEC富士のピットウォークなどでチェックすることをオススメします。
夕方には、トヨタのチームホスピタリティで、来季以降の去就が気になるフェルナンド・アロンソのグループインタビューが。今週末、おそらく何度も聞かれるであろう質問に、丁寧に、しっかりと考えながら返答していたのが印象的でした。
そのアロンソの取材中、ホスピの前で出待ちしていたファンの方がこちら。昨年のインディ仕様、そして今年のWEC仕様のミニチュアヘルメットにアロンソのサインを入れてもらい、ご機嫌でした。ちなみに『待ち方』『サインの頼み方』も非常にジェントルでして、「さすがイギリスだなぁ」と感心しました。
そろそろ陽も傾くなか再びピットロードへ出ると、トヨタ7号車を使ってオフィシャルの救出訓練が行なわれていました。そのなかで一際目立つ真っ赤な耐火スーツを着た女性。背中には『DOCTOR』とあります。美人女医発見か!?
振り向きざまにカメラ目線、いただきました!
午後からは薄陽も差して、少しだけ暖かくなってきたシルバーストン(決して“暑く”ではない)。最後は車検待ちのAFコルセ・メンテ軍団と『いかにも英国』な曇り空でお別れしましょう。明日、天気になるといいな……。