8月14日、マクラーレンF1が「フェルナンド・アロンソが2019年はF1でレースをしない」という正式発表を行った。
これにより、2019年のマクラーレンのシートは、現在ふたつとも空いたままの状況となった。アロンソのチームメイトであるストフェル・バンドーンの契約も2018年シーズン限りで切れるためだ。
バンドーンが残留する可能性もないわけではないが、バンドーンのマネージャーは頻繁に他チームのモーターホームに出入りしているところを見ると、マクラーレンとの交渉が難航していることは想像に難しくない。
逆にアロンソの離脱によって、一気に候補に浮上してきたのが、カルロス・サインツJr.だ。
現在、サインツが所属しているルノーは、先日ダニエル・リカルドの獲得を発表したばかり。これで2019年のルノーは複数年契約が残っているニコ・ヒュルケンベルグとリカルドというラインアップとなり、サインツがルノーを離れることが決定したからだ。
サインツがマクラーレンに移籍するうえでネックとなっていたのは、アロンソが残留することだった。ふたりのスペイン人ドライバーがイギリスのチームでレースするというのは考えにくいからだ。アロンソがマクラーレンを離れることが決まったことで、サインツのマクラーレン入りは大きく前進した。
ただし、まだ障害はある。それはサインツは、いまだレッドブルの支配下にあるということだ。レッドブルもまたリカルドが離脱したため、現在ふたつ目のシートが空いたまま。もしレッドブルがサインツをレッドブルのシートに収めようとした場合、サインツ側に拒否権はない。
マクラーレンのもうひとつのシートは、マクラーレンの育成ドライバーであるランド・ノリスがF2からステップアップしてくる可能性が高い。マクラーレンのCEOを務めるザック・ブラウンは「経験のあるドライバーと若いドライバーという組み合わせが理想的。2人の若手を起用できるほど、チームには余裕はない」と語っていることから、バンドーンとノリスという組み合わせは考えにくい。
サインツがマクラーレンに移籍できるのか?そして、サインツのチームメイトとなるのは、ノリスかバンドーンか?
アロンソの発表によって、2019年に向けたシート争いは一気に加熱してきた。