全日本ロードレース選手権JSB1000クラスにヤマハのファクトリチームから参戦している野左根航汰。7月末に行われた鈴鹿8時間耐久ロードレースを挟んで、およそ2カ月ぶりに開催される全日本ロードの第6戦もてぎは「一番勝つチャンス」があるレースだとして、チャンピオン獲得に向けた反撃の第一歩としたい考えだ。
野左根は2018年でヤマハのファクトリーチーム加入2年目。シーズン前半戦は7レース中4レースで表彰台を獲得しているものの、後方に沈むレースも多く、ポイントランキングでは8番手とトップチームに所属するライダーのなかでは苦戦を強いられている。
とくに2018年シーズンの全日本ロードは、天候や路面コンディションが変化していくラウンドが多く、各ライダーはそのコンディションへの対応力が求められた。そんななか野左根は刻々と変化する状況への対応に苦しむ場面が多かった。
「2018年シーズンの前半戦は、寒いときにタイヤを温められず、(レース)序盤のペースが遅いなど、自分の弱い部分が出てしまいました」と野左根は前半戦を振り返る。
「予選はセカンドラップで順位が上がることがあるのですが、コンディション変化への対応が難しく、いい形にならなかったりしています」
「(全日本ロードは2018年から)2レース制となり、去年と比べると倍の距離を走ることになったので、体力面もかなり厳しくなりましたね」
どのライダーも悪条件に直面する場面が多かったシーズン前半戦だが、それでもレースペースは昨年から向上。そのなかでも、ヤマハのエースである中須賀克行とホンダファクトリーチーム、チームHRCの高橋巧が頭ひとつ抜き出た速さを発揮している。
この中須賀、高橋との差について、野左根は「自分のペースがいいときは、ふたりと変わらないペースで走れているので、大きな差はないと感じています」という。
「同じくらいのペースで走れているということは追い抜ける可能性があるということだと思います。ただ、自分のペースがいいタイミングにばらつきがあるという点で差があることも分かっています」
「ただ、もてぎでは毎周ふたりと戦えるだろうと思いますし、戦わなければなりません」
得意とするもてぎでチャンピオン争いへの返り咲きを狙う野左根。最後に後半戦の緒戦に向けた意気込みを語った。
「後半戦からは、気温も上がって来るので、(タイヤへの熱入れなど)自分の弱点となる部分は出てこないと感じています。もてぎは勝つチャンスが一番ありますし、今回勝てなければ(チャンピオン争いは)厳しいので、優勝を狙ってます」
「また、鈴鹿8耐に出られなかった悔しさもあるので、それももてぎ戦でぶつけられればと思います」