MotoGP第11戦オーストリアGPで、バレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ・MotoGP)は6位入賞を果たした。14番グリッドから追い上げ、8つポジションを上げてのフィニッシュだった。
予選でロッシは低迷した。獲得したグリッドは14番手。今季ワーストグリッドだ。チームメイトのマーべリック・ビニャーレスも11番手に沈んだ。ふたりの予選結果とここまでの苦戦を受けて、ヤマハは予選後に会見を実施。グループリーダー兼プロジェクトリーダーである津谷晃司氏が、苦戦の理由を説明するとともにライダーふたりに対し謝罪を行った。
迎えた決勝で、ロッシは追い上げのレースを展開する。オープニングラップで一気に11番手まで浮上すると、そこからさらにじわじわとポジションを上げていった。最終的には大きくポジションをばん回し、6位フィニッシュ。11番手からスタートして12位でチェッカーを受けたビニャーレスよりも上位でゴールした。
「レースを楽しめたよ。順位を上げて、いいオーバーテイクもできた。それに、誰も僕を抜かなかった。今朝(のウオームアップ走行で)、少し違ったことを(バイクに)試した。速さはなかったけれど、ペースを安定させることができ、リヤタイヤの消耗も少なくできたんだ」
「スタートはよかったけれど、集団のなかに入ってしまった。レース序盤は激しいバトルだったよ。もっと上位からスタートできていたら、(ダニロ・)ペトルッチや(カル・)クラッチローと戦えたかもしれないけどね」
低迷した予選から一転、さすがのレース運びで上位入賞を果たしたロッシ。しかし、今後については難しい戦いが続くだろうと考えているようだ。
ロッシは「サーキット次第だけど、表彰台争いを含めて、これから苦しむだろう。(ランキングでも)ドゥカティのふたりに捕まるだろう」とmotogp.comのなかで語っている。
ランキングトップのマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)を追いかけるはずが、ランキング2番手の防戦を予想するロッシ。その言葉からは、現在の厳しい状況がうかがえた。