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Perfume、ジャニーズWEST、欅坂46……話題のグループは新曲をどうパフォーマンスする?

2018年08月14日 08:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 動画サイトで楽曲を“観る”ことが大前提になった現在。音源だけではなく、ステージングやパフォーマンスを同時に提示することは必要不可欠だ。そこで今回は、Perfume、欅坂46など、ライブにも定評があるグループの新作を紹介。ミュージックビデオ、ライブでの表現を含めてチェックしてほしい。


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 “情報過多の都市のなかで生きる人々を3人のダンスで浄化する”というコンセプトのMVも話題を集めた「TOKYO GIRL」、SFファンタジーのような世界観を備えた映像とシャープなダンスアクトが共存する「If you wanna」、グアムの大自然のなかでオーガニックなパフォーマンスを繰り広げた「無限未来」を含む、Perfume約2年4カ月ぶりのニューアルバム『Future Pop』。新曲「Let Me Know」のMVは、20代最後となるこのアルバムに合わせ、メンバー3人の歩みと宇宙旅行を重ね合わせたストーリーとなっている。これまでのPerfumeの軌跡、そして、この先の未来を描き出す、マイルストーン的な楽曲と言えるだろう。近未来的なイメージを放つパフォーマンスだけではなく、そのなかで生々しい内面を描けることこそが、現在のPerfumeの強さだと思う。


 野外ワンマンライブ『欅共和国 2018』最終日(7月22日/富士急ハイランド・コニファーフォレスト)のアンコールで初披露された欅坂46の新曲「アンビバレント」は、ダンサブルかつロックなサウンドのなかで、(曲名通り)二律背反的な欲望のあり方を描いたアッパーチューン。白いブラウス、黒のスカートの衣装、過去最高にハードなフォーメーション、既存の楽曲の振り付けを取り入れたダンスなど、さまざまな要素をちりばめたステージングも話題を集めた。MVでは映画『マトリックス』で有名になったバレットタイム撮影を採用。コンテンポラリーダンスを取り入れたメンバーの動きと高速で移動するカメラワークが絶妙だ。相反するファクターを吸収しながら独創的なエンターテインメントへと昇華する、欅坂46の特徴がダイレクトに示された作品と言えるだろう。


 主人公は、恋心を伝えられずにいるシャイな女の子。スパガことSUPER☆GiRLSの19thシングル曲「ばぶりんスカッシュ!」は、甘酸っぱい恋愛感情をフルーツスカッシュの中でゆらゆらと浮かぶ泡にたとえた夏ソングだ。爽快なメロディライン、切なくも愛らしい歌詞、カラフルなサウンドメイクがメンバーのキュートな歌声を際立たせている。MVも完全に夏仕様。かわいらしい水着姿のメンバーが踊るシーンはもちろん、架空の清涼飲料水“ばぶりんスカッシュ!”のCMをコンセプトにした映像も楽しい。


 2018年を“DOGG YEAR”と位置付け、精力的な活動を続けているDOBERMAN INFINITY。現在開催中の全国ホールツアー『DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2018 DOGG YEAR ~PARTY ON THE OFF ROAD~』でも披露されているニューシングル曲「SUPER BALL」は、夏のアンセムとして認知されている「SAY YEAH!!」(2015年7月リリース)以来の夏ソング。ボーカルのKAZUKIが制作、トータルプロデュースを手がけたこの曲は、バウンシーなトラック、ラテンの匂いを振りまく音像、解放的なリリックがひとつになった極上のパーティーチューンだ。MVには約300人のファンが参加。真夏のプールサイドで騒ぎまくる映像、パワフルに動き回るパフォーマンスは、「SUPER BALLL」のコンセプトをしっかりと際立たせている。


 ジャニーズWESTの10thシングル『スタートダッシュ!』表題曲は、TVアニメ『キャプテン翼』(テレビ東京ほか)のオープニングテーマ。華やかなホーンセクションから始まるこの曲は、勢いのあるビート、解放的なギターサウンド、どこまでも前向きなメロディが広がるアップチューン。〈ゴールを逸れた希望があっても/また立ち上がるなら 夢は終わらない〉などポジティブに振り切った歌詞も、ピュアで瑞々しいメンバーの歌声によく似合っている。MVではメンバー全員の“スタートダッシュ”のほか、ボールを蹴る動きを取り入れたダンスも楽しめる。


■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。