MotoGP第11戦オーストリアGP決勝レースで、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は15位フィニッシュ。ルーキー勢トップでゴールするとともに、第5戦フランスGP以来6戦ぶりにポイントを獲得した。
中上は、2日目までオーストリアGPでマシンのセットアップに苦戦していた。初日から2日目と、天候が安定せず、ドライ、ウエットと路面コンディションが変わったからだ。ドライで争われた予選はセットアップが詰めきれておらず、獲得したのは21番グリッド。7列目から決勝をスタートすることになった。
そして迎えた決勝日、中上はウォームアップで新たなセットアップをテストすると、これが自身の走りにマッチ。手ごたえをつかみ、決勝レースを迎える。
中上は好スタートを切り、21番グリッドから4つポジションを上げ、オープニングラップを17番手で終えた。
「決勝レースは、スタートを決めて1コーナーもいい位置取りで入って行けたのですが、4コーナーは前が詰まっている状況でした。うまくそこを切り抜けてからは、最後まで28周をきっちりミスなく走ることに集中しました」
「(マーべリック・)ビニャーレス選手が前にいたので、ついていくように努力したのですが、10周ほどすると彼と離れてしまいました。その後は単独走行になりましたが、安定したラップタイムで走ることができました」
その後ひとつポジションを上げ、16番手で走行を続けた中上は、レース終盤の残り2周、目の前を走っていたアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)を交わし15番手に浮上することに成功する。
「全力で最後まで走り、最終ラップではエスパルガロ選手をオーバーテイクしてポイントを獲得することもできました。たった1ポイントとはいえ、貴重な点数獲得です」
ひさびさのポイント獲得という結果に「ここ数戦は厳しいレースが続きましたが、僕を支え続けてくれたLCRホンダ・イデミツのチームのみんなに感謝をしています。おかげで、自分本来の走りを少しずつ取り戻せるようになってきました」と語った中上。
復活ののろしを上げて、ここから残りの後半戦のさらなる躍進に挑む。