舞台『KAATキッズ・プログラム2018「グレーテルとヘンゼル」』が、8月18日から神奈川・横浜のKAAT神奈川芸術劇場で上演される。
グリム童話『ヘンゼルとグレーテル』を下敷きにした同公演は、1975年に脚本家スザンヌ・ルボーと演出家ジェルヴェ・ゴドロによって設立されたカナダ・モントリオールの劇団ル・カルーセルとの共同製作。1人っ子だったグレーテルの幸せな日々が、1歳と1か月違いの弟・ヘンゼルの誕生によって崩れ去ってしまうというあらすじだ。舞台上に置かれた15脚の木製の椅子だけで、ヘンゼルが産まれる瞬間や夜の森、魔女が住むお菓子の家、かまどなどを表現するという。上演時間は約1時間。
終始ご機嫌斜めのグレーテル役に土居志央梨、グレーテルのことが大好きなヘンゼル役に小日向星一がキャスティング。2人は昨年秋にジェルヴェ・ゴドロを招いて行なわれたオーディションで選出された。
8月18日と19日にはジェルヴェ・ゴドロによるQ&Aコーナーを実施するほか、19日にはスザンヌ・ルボーによるレクチャーも開催。参加方法などの詳細はKAAT神奈川芸術劇場のオフィシャルサイトで確認しよう。
■ジェルヴェ・ゴドロのコメント
「グレーテルとヘンゼル」はあの童話のカタチを借りていますが、実は、作家の実話に基づいた姉と弟との関係性を描いた作品です。演出はものすごくシンプルです。具象で舞台空間をみせるのではなく、何かを想起させるようなこの手法は、日本人にはなじみがあるかもしれません。舞台上には、15脚の椅子だけ。子ども用の背の高い椅子が円を描くように置かれています。円の中には、プライバシーが守られた、安全な家が描き出されます。円の外、森は未知の世界であり、冒険です。今回のKAAT神奈川芸術劇場との共同制作は、東洋と西洋の融合です。オーディションで選んだ2名の若手俳優や、日本人スタッフと交流し、新しい「グレーテルとヘンゼル」を創作できることを楽しみに思います。