ERCヨーロッパ・ラリー選手権で2017年シーズンにERCジュニアU28クラスのタイトルを獲得しているマリアン・グリーベルが、8月16~19日に開催されるWRC世界ラリー選手権第9戦ドイツにシトロエンDS3 WRCで参戦。WRC最上位クラスデビューを果たす。
ERCの若手ドライバー育成クラスであるU28、U27ではシリーズチャンピオンに対し、将来のステップアップに向けたさまざまな賞典が用意されており、グリーベルはその賞典を活用してWRC参戦を実現させた。
直近のドイツ国内選手権の1戦であるADACラリー・ヴァルトブルクで優勝を飾っているグリーベルは、ERCのプロモーターを務めるユーロスポーツ・イベントの支援を受けてヨーロッパ圏で行われるWRC1戦へスポット参戦できる権利を獲得している。
引き続きR5規格のプジョー208T16を使用してのERCフル参戦プログラム拡大資格が与えられていたグリーベルだが、2018年シーズンのスケジュールがかみ合わずERCフル参戦は叶わず。代わりに旧規格ではあるものの、2016年までWRC最上位クラスを戦ってきたDS3 WRCを操ってWRCデビューを果たす。
このシトロエンDS3 WRCはフランスのPHスポールが用意する1台で、グリーベルはドイツ国内選手権でも同じPHスポール製のR5マシンで参戦している。
「ADACラリー・ドイチェランドは僕にとって特別なイベントなんだ。今も住んでいるハーンヴァイラーから約20km程度しか離れていない場所で開催されるからね」と、地元戦への思いを語るグリーベル。
「(ドイツ国内戦)ルクセンブルグで総合優勝した後、僕はPHスポールやスポンサー関係者の人々と相談を始めたんだ。この地元の特別な1戦に向けて、特別なマシンを用意してチャレンジすることはできないだろうかとね」
「彼らはみんな僕のアイデアに興味を示してくれて、追加の支援を決めてくれたんだ。僕の主な支援者は(元ドライバーの)アーミン・クレマーだけど、それ以外に数多くのスポンサー企業、そしてユーロスポーツ・イベントを始めとする多くの人々がこのプロジェクトを支えてくれている」
現在29歳のグリーベルは、2016年にオペル・アダムR2をドライブして最初のERCクラス王座を獲得。その年のキプロス・ラリーではバウムシュラッガー・ラリー&レーシングのシュコダ・ファビアR5で参戦していきなりの総合2位をマークすると、翌年にはERCジュニアU28登録初年度で3勝を記録し、チャンピオンとなった。
今回のADACラリー・ドイチェランドでWRカーをドライブする唯一のドイツ人となるグリーベルは、このチャレンジに際して「当然R5カーでの挑戦より、速く、印象的で、何より楽しい大会になるに違いない」と、抱負を語った。
「WRカーのスピードとドライビングを学ぶ最高の機会であり、より多くのメディア露出を通じて自分の将来をプロモートする絶好のチャンスでもある」
「もちろん、2018年スペックの最新WRカーに乗るドライバーたちに対抗する術はないだろうけど、WRCの舞台でとても速いマシンをドライブできるのは本当に楽しみだし、僕にとってはとても意味のある出来事になるだろう」
「この週末の目標はコースの上に留まり続け、R5のコンペティター全員を打ち負かすこと。そしてトップ10でフィニッシュして、本物の世界選手権ポイントを獲得することだ」