8月11日、MotoGP第11戦オーストリアGPのバレンティーノ・ロッシ、マーべリック・ビニャーレスの予選結果を受け、ヤマハのグループリーダー兼プロジェクトリーダーである津谷晃司氏がライダーふたりに対する謝罪会見を行った。
オーストリアGPの予選を、ロッシは14番手、ビニャーレスは11番手という結果で終えたモビスター・ヤマハ・MotoGP。ランキングこそロッシは2番手、ビニャーレスが4番手につけているが、優勝からは1年以上遠ざかっている。
この問題解決のため、先だっては第10戦チェコGPのウイーク中、ヨーロッパでマシン開発を行うテストチームの立ち上げが報道されたばかりだ。
会見のなかで津谷氏はヤマハYZR-M1が苦しんでいる理由について説明し、モビスター・ヤマハ・MotoGPのライダーふたりに対し謝罪を行った。
「今日は非常に厳しい一日でした。我々は加速面、パワーデリバリーで苦しんでいます。その理由のひとつとしては、ここがヤマハが苦手としているサーキットであるということです」
「今回はこれまでで最も悪い予選結果となってしまいました。ライダーふたりには、(マシンの)パフォーマンス、特に加速の部分について謝らなければなりません」
「また、マーべリックについては金曜のフリー走行1回目、今日のフリー走行4回目でセンサーに技術的な問題が発生しました。これが、マーべリックの集中を乱す結果となりました。明日の決勝レースに向けて改善を行っていきます」
「ライダーふたりに謝罪したいです。もちろん、我々はこの問題を解決すべく、明日のレースに向けて、そしてレース後も今後も懸命に作業していきます」
一方、ロッシはこの会見についてmotogp.comのなかで厳しい見解を示している。
「僕にとって重要なことは言い訳じゃないんだ。大事なことは、彼らがこの問題を改善しようとしているかということだ。以前から言っているように、ヤマハがそれを望むなら、僕たちは解決できる可能性がある。もちろんそれは短期間では難しいけれど、きっとできると思っている。謝罪よりも、最大限、バイクを改善することだ」
「状況を改善しなければならないのだから、小さな修正では不可能だ。次のふたつのテスト(第12戦後に2回のテストを予定)では難しいだろうね。僕たちは真剣にならないと。来週が大きなステップになるとは思わないよ。きっと2、3カ月後だろうね。問題は、僕たちがこれについて1年以上言い続けているということなんだ…」
異例とも言える、ライダーに対する謝罪会見を行ったヤマハ。この会見をきっかけに状況が変わっていくことになるだろうか。