イギリスのブランズ・ハッチで開催されているDTMドイツツーリングカー選手権。11日に行われた第11戦は、ダニエル・ジュンカデラ(メルセデスAMG C63 DTM)がポール・トゥ・ウインでキャリア初勝利を挙げた。
約1カ月ぶりの開催となったDTM。2013年以来の開催となるイギリスのブランズ・ハッチからシーズン後半戦が幕を開けた。
予選はジュンカデラが0.092秒差でルーカス・アウアー(メルセデスAMG C63 DTM)を抑え自身2度目となるポールポジションを獲得。3番手に昨年の王者レネ・ラスト(アウディRS5 DTM)が続き、ポイントリーダーのゲイリー・パフェット(メルセデスAMG C63 DTM)は6番手。パフェットを追うポール・ディ・レスタ(メルセデスAMG C63 DTM)は12番手と中団からのスタートに。
55分+1周で争われる決勝レース。スタートでタイヤを滑らせ出遅れてしまったジュンカデラを交わしアウアーがホールショットを決める。ラストもジュンカデラを交わして2番手に。アウグスト・ファーフス(BMW M4 DTM)もフィリップ・エンゲ(BMW M4 DTM)とのサイド・バイ・サイドのバトルを制し4番手にポジションをアップさせる。
オープニングラップを終えると2番手のラストをはじめ6台がタイヤ交換へと向かう。5周目終わりでファーフスとエンゲもピットイン。ファーフスはラストの前でコースに復帰しポジションアップに成功する。
2番手を走るジュンカデラは7周目終わりでタイヤ交換に向かい、ファーフスの前でピットアウト。タイヤ交換組のトップでアウアーを迎え撃つ。
9周を走行してトップのアウアーがピットへ。ジェンカデラの前で復帰するもタイヤが温まる前に、ジュンカデラが交わしポジションダウン。さらにファーフスもアウアーをオーバーテイクし実質2番手に。
トップを走るエドアルド・モルタラ(メルセデスAMG C63 DTM)はオーバーランでタイムロス。12周目終わりでピットイン義務を行うもトップ集団からは大きく遅れてしまう。
15周目終わりでパスカル・ウェーレイン(メルセデスAMG C63 DTM)がピットイン。全車がタイヤ交換を終え、ジュンカデラがトップに浮上。0.8秒差でファーフスが追い、少し離れてアウアー、ラストと続く。
ジェンカデラは徐々にファーフスとの差を開きトップをキープ。
残り15分、チャンピオン争いのためにもポイントを稼ぎたいディ・レスタだったが16番手と下位に沈み、さらにコースオフを喫するなど上位進出のきっかけをつかめない。一方、ランキングトップのパフェットはいぶし銀の走りでポイント圏内の6番手をキープする。
40周目に55分が経過。後半は危なげない走りでレースをコントロールしたジュンカデラが、ファイナルラップもしっかりと走り切り、キャリア67戦目でDTM初勝利を飾った。2位はファーフス、3位にアウアーが入った。
「これは僕たちが一緒にゲットした勝利だ」と無線でクルーを称えたジュンカデラ。
「本当に本当にクールだね。DTMで優勝することは特別なことだ。スタートで問題を抱えたふたつもポジションを失ってしまった。でも先を見たんだ。予選のように、ピットイン前の5周を走行したよ」と喜びを語った。
ファーフスも2016年の開幕戦以来となる久しぶりの表彰台獲得だ。
「コースを知っていたことが僕をいっぱい助けてくれたよ。ここで何回もレースをしていたし、ブランズ・ハッチはいつも親しみがあるサーキットだね。表彰台に戻ることができてとてもうれしいよ。明日も繰り返したいね」とファーフス。
チャンピオン争いは、パフェットが6位フィニッシュで8ポイントを追加し156ポイント。ノーポイントに終わったディ・レスタとの差を35ポイントに開いた。
アウアーは17ポイントを追加して、エドアルド・モルタラ、ティモ・グロック、マルコ・ウィットマンを抜きランキング3位に浮上した。