有効求人倍率が8年連続で上昇し、企業は深刻な人手不足に陥っている。過去には1人で店をまわす牛丼チェーン店の"ワンオペ"や、宅配会社の遅配トラブルなどが問題となった。
人員不足によって、現場は疲弊している。企業口コミサイト「キャリコネ」に寄せられた、人手が足りない職場の現状を見てみよう。(※参照元 キャリコネ)
「休みは月4日」「オープンからクローズまで一人」人員不足で退職も検討
「各店舗人員不足で一人当たりの負担が増加している。休日出勤は強制されないが、店舗のことを考えるとやらざるを得ない状況。自分の体調や家庭環境を考えて退職を検討中」(フロアスタッフ、20代後半、男性、正社員、年収450万円)
「人員不足が激しく一ヶ月のシフトは組めず、ヘルプもなかなかもらえず、次にいつ休めるかもわからない状態で働き、気づけば月に4日しか休んでいませんでした」(店長 20代後半女性 正社員 年収360万円)
「売り場(現場)は慢性的な人員不足な上、事務作業、接客、クレーム対応、販売員教育など業務が多岐にわたっており、精神的、体力的にとても大変でした」(店舗スタッフ関連職 30代後半女性 正社員 年収450万円)
「人員不足なのに新店や催事に力を入れている。結果、オープンからクローズまで、一人でお店をまわすこともしばしばある」(店長 30代前半女性 正社員 年収350万円)
販売や飲食など、サービス業界の口コミが目立った。サービス業は接客や事務作業、クレーム処理にとどまらず、季節に合わせた行事や新店舗の開店など、業務量が膨大だ。
また、学生や主婦などアルバイトやパートに現場を任せている場合、急な欠勤により社員が対応せざるを得ない状況が生まれる。その結果、休日出勤やサービス残業、"ワンオペ"を余儀なくされてしまう。なかには深夜までトイレに行けなかったという口コミも。
自分の健康と私生活を守るためにも、スタッフ増員の交渉はもちろん、転職も視野に入れた方がいいだろう。
「誰かが超過勤務しないと、配達する人が誰もいないという状況」
「人員不足でシフトが回らなかったり休日出勤があったり、不平等感があると感じた。毎月どこかの店舗がヘルプを探している。人手不足なので、常に採用活動を行っている模様」(店長 20代後半女性 正社員 年収260万円)
「報道で取り上げられていますが、人員不足と夜間の配達による長時間労働が常態化しつつあります。誰かが超過勤務しないと、配達する人が誰もいないという状況もあり、プライベートを重視する人にはお勧めできません」(物流サービス 30代後半男性 契約社員 年収200万円)
「人員不足が深刻です。レジ打ちする人、ご案内に行く人、商品補充する人それぞれがバランス良く分配出来ないので、入荷商品が入ったバレットがいつも売り場で山積みになっています。もっと積極的に中途社員やアルバイトを雇わない限り、この問題は解決出来ないでしょう」(フロアスタッフ 20代後半男性 正社員 年収300万円)
少子高齢化に伴い、生産年齢人口が減り続けているため、人員不足の解消は容易ではない。AIの導入や外国人労働者の活用なども1つの手ではあるが、働き盛りの世代が柔軟に働くことができる仕組み作りも大切だ。
ワークシェアリングや副業の許可など、子育て世代や長時間勤務が難しい人達も参加できるような、さまざまな働き方が求められるだろう。"人手不足倒産"も増えている昨今、企業は必要に応じてアルバイトや中途採用を増やし、生産性を向上していく必要がある。(※参照元 キャリコネ)