トップへ

WRC:トヨタ、ドイツで2戦連続の“ホーム”戦へ。マキネン、ヤリスWRCの「進化の継続を期待」

2018年08月10日 17:31  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

ラリー・ドイチェランドでは、ぶどう畑の間に広がる農道を抜けるステージも
2018年シーズン、3台体制でWRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRT。チームが挑む次なる戦いは8月16~19日に行われる第9戦ドイチェランド(ドイツ)だ。

 チームが拠点を構えているフィンランドで行われた第8戦で2018年シーズン2勝目を手にしたトヨタ陣営。そんなチームが次に挑むラリー・ドイチェランドは4月に行われた第4戦ツール・ド・コルス以来となるターマック(舗装路)イベントだ。

 ドイツには、トヨタ・ヤリスWRCに搭載されているエンジンを開発するトヨタ・モータースポーツGmbH(TMG)が居を構えており、トヨタにとっては2戦連続のホームイベントといえる。

 1982年に初開催され、2002年からWRCに組み込まれているラリー・ドイチェランドは、ぶどう畑の間を駆け抜けるつづら折れのステージや、ドイツ・バウムホルダーにある軍事演習場を抜けるステージなど、走行するエリアによってステージのキャラクターが大きく変わるのが特徴だ。

 ぶどう畑を抜けるステージは道幅も狭く、路面も凹凸が激しい上、マシンがステージを走行していくたびに道路脇の土などがコース上に散乱していき、グリップレベルが刻々と変化していく。

 一方、軍事演習場のステージはコンクリート路面でグリップレベルが低く滑りやすい上、コース脇には大きな岩も多く、コースアウトするとマシンに大きなダメージを負う危険性も高いステージだ。

 加えて、この時期のドイツは天気が急変しやすいため、天候を読んだタイヤ選択も勝負の鍵を握る。

 2018年大会は全18ステージで構成。全ステージ合計の走行距離は325.76km、リエゾン(移動区間)も含んだ総走行距離は1221.89kmだ。サービスパークが設置されるのはドイツ・ボスタール湖近郊だ。

 シーズン3勝目、そしてチーム初のターマックラリー制覇に挑むチーム代表のトミ・マキネンは「いいフィーリングでラリー・ドイチェランドに臨むことができると考えている」と語る。

「ラリーに向けての事前テストはうまくいったと思うし、ここまでのところ、ヤリスWRCは舗装路で高いパフォーマンスを示している。今回のラリーでも進化の継続を期待しているよ」

「昨年積み重ねた経験により、我々はいくつかの領域について改善をしてきた。オット(タナク)は昨年ドイツで優勝しており、きっと今年も活躍してくれるはずだ」

「一方、ヤリ-マティ(ラトバラ)とエサペッカ(ラッピ)は去年SSでベストタイムを記録したが、バウムホールダーのステージではパンクし、その厳しさを知った」

「道幅がとても狭く路面に泥が出ているようなステージもあり、このラリーではミスをしやすいので注意が必要だよ」

■ランキング3番手のタナク「これからは各ラリーで最高の結果を得ることが目標」

 昨年のラリー・ドイチェランドを制しているほか、前戦フィンランドでは圧倒的な強さを発揮したオット・タナクは「フィンランドで優勝したこともあり、ドイツに向けては高い目標を設定している」と期待を示す。

「これからは、ひとつひとつのラリーで最高の結果を得ることを目標に掲げ、その上でふたたび選手権争いに加わることができるかどうか見極めたい」

「このラリーでは天気の変化を読む力がとても重要なんだ。なぜならタイヤ選択が大きな差を生み、去年正しいタイヤ選択もあって勝利を手にすることができたからね」

 ラリー・フィンランドで3位表彰台を獲得し、シーズン前半の悪い流れを断ち切ったヤリ-マティ・ラトバラは「去年の時点で我々のクルマにはすでに高い競争力があったから、今年のドイツでもきっと速さがあるだろう」とコメント。

 若手エサペッカ・ラッピは「(同じターマックラリーの)ツール・ド・コルスではいいセットアップが見つかり、スピードも充分だった。ドイツは大きく異なるラリーだけど、ツール・ド・コルスの時と同じようにいい走りができることを願っている」とコメントしている。