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ルーベンス・バリチェロ、母国ブラジルレースで優勝。100万レアルの高額賞金獲得

2018年08月10日 13:41  AUTOSPORT web

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2014年のタイトル獲得年以来のMillion Race(ミリオン・レース)制覇となったルーベンス・バリチェロ
ブラジル出身の元F1ドライバーたちが数多く参戦する、同国を代表するツーリングカー選手権、SCBストックカー・ブラジルの第6戦ゴイアニア“Million Race(ミリオン・レース)”が8月5~6日の週末に開催され、フェリペ・マッサら有力なゲストドライバーたちを退けた2014年王者ルーベンス・バリチェロ(フルタイム・スポーツ)がトップチェッカーを受け見事に100万レアル(約2950万円)の高額賞金を獲得した。

 ブラジル中西部ゴイアス州に位置するアウトドローモ・インテルナショナル・ダ・アイルトン・セナで開催された10回目のミリオン・レースは、今回初の試みとして同トラックの外周に備えられた2.696mの高速外周路を使用して争われた。

 平均時速204km/hの超高速バトルとなった予選を制したのは、現SCB王者にしてWEC世界耐久選手権にも参戦するダニエル・セラ(ユーロファーマRC)で、フロントロウ2番手にバリチェロ、セカンドロウ3番手にはヒーロー・モータースポーツのゲストドライバーとして参戦するアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ、5番手に同チームのエースで今季からSCBに参戦するルーカス・ディ・グラッシという強力な顔ぶれの並ぶグリッドとなった。

 序盤4周目のアクシデントで早々にセーフティカー(SC)が出動し荒れた展開を予感させたレースは、セラが首位をキープし、バリチェロはダ・コスタ、ディ・グラッシを従えた状態で最初のピットウインドウがオープン。

 セラ、ディ・グラッシがピットへと向かうなか、その翌周に作業をずらしたバリチェロらと戦略の違いもありポジションが変動。給油量を多めに取ったセラがダ・コスタの背後となり、ショートストップを選択した強豪シムド・シボレー・レーシングのルーカス・フォレスティがトップに浮上する形となった。

 そして23周目、そのセラが引き金となりチアゴ・カミーロ(イピランガ・レーシング)、5度の王者獲得経験を持つ“帝王”ことカカ・ブエノ(シムド・シボレー・レーシング)らが絡む多重クラッシュが発生し、この日3度目のSCランに。

 リスタートで狙っていたのは2番手を走るダ・コスタで、再開直後の1コーナーでフォレスティを仕留めると、31周目のセカンドストップまで同じくオーバーテイクを成功させたマックス・ウィルソン(ユーロファーマRC)を従えてリードを拡大していく。

 しかし最初のストップと同じタイミングで、首位の翌周にピットへと飛び込んだバリチェロは、ここでスプラッシュ・アンド・ゴーのショートストップを選択して見事に首位浮上に成功。同じ周には、中団で力走を見せていたフェリペ・マッサ(シムド・シボレー・レーシング)が、バトル中のコンタクトでタイヤをバーストさせ、惜しくもレースを終えることとなってしまう。

 ファイナルスティントをウィルソン、ダ・コスタを従えて走ったバリチェロは、ファンのSNSを通じた人気投票により使用可能となるブースト機能“HERO PUSH(ヒーロープッシュ)”を使用して逃げ、そのままファイナルラップへと突入すると、3台はわずか1秒圏内という僅差でフィニッシュ。

 自身4年ぶりとなるミリオン・レース制覇となり、ファンで沸きかえるグランドスタンド前ホームストレートにマシンを止めると、次男のフェルナンド君とともにマシンのルーフに登り、声援に応える喜びのパフォーマンスを見せた。

「僕にはふたりの息子がいるけれど、初めてここで勝ったときは長男(エドゥアルド)をマシンに載せたんだ。だから今回は、次男も同じようにルーフに上げてやりたいと思っていたんだ」と、笑顔を見せたバリチェロ。

「今朝起きたときは、マシンに競争力はあるものの、勝つのは簡単ではないだろうと思っていた。でもこうしてスタンドの中央を通って表彰台に上がる気分は最高だね。今回の賞金は(自らの基金である)バリチェロ・インスティテュートを通じて、その他のあらゆる機関と同様にブラジルの恵まれない環境改善に役立てていくと決めている」

 同ラウンドでシーズン後半戦開始となったSCBストックカー・ブラジル。次戦第7戦は8月18~19日にブラジル西部カンポ・グランデで開催される。