サマータイムの導入を巡っては、日常生活や経済への影響から、反対する声が強い。キャリコネニュースでは8月9日、かつて独自のサマータイムを導入していた奈良県庁の職員が、全国一斉のサマータイム導入を「無理だと思う」と見ていることを紹介した。
反対の声は著名人からも相次いでいる。落語家の立川志らくさんは10日、自身のツイッターで
「五輪の為にサマータイム導入?なんで五輪の為に日常生活を変えられてしまうのか?秋にやればよいだけ。テレビの放映権の利権云々で秋はやらないらしいが、それのどこが選手ファーストなのか?マラソン、いくら時間を早めても暑い。室内でぐるぐる回れ、と言いたくもなる」
と、導入理由に疑問を呈した。
「『まだ明るいから働けますよね』となり残業が増え余暇時間が減る未来が見える」
筋トレ関連のツイートが人気の、57万以上のフォロワーを持つテストステロンさんも9日、サマータイム導入に反対を表明した。
「サマータイム、体に染み込んだ睡眠起床時間がある一定期間だけ2時間ズレる事がどれだけ体と精神へのストレスが大きいか良く考えて欲しい。熟睡できずに成長ホルモンの分泌減ったらどうしてくれるん。筋肉の成長の妨げになるやん。勘弁してよ。死活問題だよ。断固反対。断固拒否」
サマータイムが適用されて生活リズムが崩れれば、睡眠が乱れ、自律神経の不調や成長ホルモン分泌量低下を引き起こし「精神にも筋肉にも良くない」と指摘する。
「システムやプログラム調整に多大な労力とコストもかかる→経済にも良くないし残業も増える→イライラホルモンのコルチゾール分泌→精神と筋肉が削られる。サマータイム、断る」
更に「サマータイムの導入によって余暇時間が増えるどころか『まだ明るいから働けますよね』となり残業が増え余暇時間が減る未来が見える」ともツイート。心の底から嫌がっている様子が伺える。
東浩紀「猛暑対策云々は口実で、本当の動機は証券取引所の開く時間を早めることでは」
身体の不調などを懸念する声が多いが、批評家の東浩紀氏は、別の観点から導入の理由を分析していた。
「ところでサマータイム問題だけど、なぜ1時間ではなく2時間なのかという点で、猪瀬さんが都知事だったときに『東京時間を2時間早めればオーストラリアを超えて世界で最初に開く証券取引所の場所になる』と言っていたのを思いだした。猛暑対策云々は口実で、案外本当の動機はそこらへんにあるのかもね」
ただ、取引時間を2時間早めるとなるとシステム改修に多大なコストがかかりそうだ。「証券市場なんかもまずいんじゃないの?」と懸念する声も複数出ている。
菅義偉官房長官はこれまで、記者会見で「政府として導入を決定した事実はない」「大会までの期間はあと2年と限られている」など、消極的な姿勢を見せているが、安倍晋三首相は7日、自民党内で検討するよう指示しており、本格的に検討が進められているようだ。