フォードは8月9日、2019年からモンスターエナジーNASCARカップに投入するカップカー、フォード・マスタングをお披露目した。
アメリカで熱狂的な人気を誇るNASCARには、フォードとシボレー、トヨタの3メーカーがワークスとして参戦。このうちトヨタは2017年にトヨタ・カムリを、シボレーは2018年からシボレー・カマロZL1をベースとした新型マシンを投入している。
残るフォードは2006年から一貫してフォード・フュージョンをベースとしたマシンでシリーズを戦ってきたが、ベース車両の刷新を決断。2019年からは同社を代表するスポーツクーペであるマスタングをベースとしたマシンを投入する。
アメリカ、ミシガン州ディアボーンにあるフォードのワールドヘッドクオーターで行われたアンベイルイベントには、現在フォード車でNASCARカップシリーズを戦っているドライバーやチームオーナーも出席。スチュワート・ハース・レーシングのオーナーであるトニー・スチュワートのドライブで、マシンがお披露目された。
フォード・デザインとフォード・パフォーマンスのスタッフたちは、マスタングらしさを演出しながらNASCARのレギュレーションに沿うようデザインを行ったといい、「オーバルでもロードコースでもマスタングらしい外観になる」という。
フォード・パフォーマンス・モータースポーツでグローバル・ディレクターを務めるマーク・ラッシュブルックは「4月にマスタングをカップシリーズへ投入するとアナウンスしてから、我々のもとには好意的なコメントばかり届いている」と述べた。
「フォード・パフォーマンスの開発チームは、フォード・デザインのスタッフと連携しながら作業を続け、伝統的なマスタングのスタイリングを残しつつ、トラックで戦闘力を発揮できるマシンを仕上げた」
「2019年、このマシンがカップシリーズで勝利する瞬間を見るのが待ち遠しいよ」
イベントに出席したブラッド・ケゼロウスキーは「マスタングがカップシリーズに参戦することになってうれしいよ。モータースポーツの舞台にフォードのパフォーマンスを象徴するマスタングが参戦するのは自然な流れだと思うしね」とコメントしている。
「NASCARでは1位から10位までがコンマ数秒の差になることはよくある。そんな接戦のなかで勝つために、ドライバーはマシンから最後の1滴までパフォーマンスを絞り出そうとするんだ」
「そんな戦いをしているときに、これまで多くの名車を送り出してきたフォードにいる経験豊富な精鋭部隊が作ったマシンに乗っていることほど、心強いことはないんだ」
また、フォードはこのマスタング・カップカーのお披露目に合わせ、マスタングの市販モデル累計製造台数が1000万台に到達したこともアナウンスしている。
新型マスタング・カップカーのデビュー戦は2019年2月17日に行われるデイトナ500だ。