秋葉原に登場したアウディe-tron・ビジョン・グランツーリスモ 8月8日、東京・秋葉原のベルサール秋葉原で、日本初登場となるアウディe-tron・ビジョン・グランツーリスモをお披露目する『アウディe-tron・ビジョン・グランツーリスモ・ナイト・イン・東京』が行われ、豪華ゲストとともにファンの前にリアルワールドに登場したコンセプトカーを公開した。
アウディe-tron・ビジョン・グランツーリスモは、グランツーリスモシリーズのために自動車メーカーが参加したプロジェクト『ビジョン・グランツーリスモ』に登場したマシンだが、実際にアウディが走行できる車両を製作したもの。
すでにヨーロッパではお披露目されていたこのマシンを日本で公開するべく、『アウディe-tron・ビジョン・グランツーリスモ・ジャパンプレミア』と題し、スーパーGT第5戦富士の予選日から続く数々のイベントを開催してきたが、その最後を飾ったのが“電気とゲームの街”である秋葉原で行われた『アウディe-tron・ビジョン・グランツーリスモ・ナイト・イン・東京』だ。
この日は抽選で600組1200名がイベントに招待され、雨の中ながら会場は大盛況。クラブミュージックがかかるなか、グランツーリスモシリーズを手がけるポリフォニーデジタルの山内一典プロデューサーが登場した。
「このビジョン・グランツーリスモは、世界中の自動車メーカーに『今でもクルマ作りを楽しんでいますか?』という問いかけもあった。そのなかで、アウディさんはこのプロジェクトを楽しんでもらっていた。メッセージに対し『楽しんでいるよ』と返ってきた」と語った。
そんな楽しみのなかから生まれたアウディe-tron・ビジョン・グランツーリスモが、先日の富士でもステアリングを握ったル・マン24時間ウイナーのブノワ・トレルイエの手により登場すると、会場からは大きなどよめきが上がった。このクルマを前に、山内プロデューサーとアウディのモータースポーツマーケティング総括を務めるクラウス・デメルによりトークショーが展開され、ファンは興味深そうに聞き入った。
「我々はアウディだ。ビジョン・グランツーリスモをせっかくデザインしたのだから、実車を作ろうと思ったんだ」とデメル。実車の製作にあたっては、DTMドイツツーリングカー選手権のRS5 DTMのパーツが使用されているほか、未来のアウディ車に使用されるテクノロジーが活かされているという。山内プロデューサーも「トルク感がすごい」と実際にドライブした感想を語った。
■富田がデモランで美技披露。篠田麻里子さんも登場
当然、このアウディe-tron・ビジョン・グランツーリスモは、実車としても存在するマシンだが、グランツーリスモ内で自由にドライブすることができる。今回は会場に設営された試遊台を使ってレースが行われたが、それに先立ち“デモラン”を行ったのは、スーパーGTでHitotsuyama Audi R8 LMSをドライブする富田竜一郎だ。
グランツーリスモ内に収録されている『東京エクスプレスウェイ』を使って富田のデモランが行われたが、グランツーリスモも得意とする富田だけに、そのデモランには会場から大きなどよめきが。「緊張しました(笑)」と富田は笑ったが、その走りはさすがGTドライバーのものだった。
その後、パーティ参加者から抽選で選ばれた参加者によるマッチレースが行われたが、ここでなんとTAISAN R8 FUKUSHIMAの千葉泰常代表が選ばれてしまうハプニング(?)も。千葉代表に代わってドライバーの山田真之亮が参加し、その走りをみせつけることになったが、GTドライバーの凄さを会場のファンも感じ取った様子だった。
イベントではさらに、スーパーGT第5戦富士でのデモランでトレルイエの助手席に乗った、女優の篠田麻里子さんがトークショーを行った。アウディを思わせる赤いドレスに身を包んだ篠田さんは、「ゲームの世界のものが現実になって、乗ることができるなんて夢のようでした」と語った。
4日のドライブが初めてのサーキットだったという篠田さんは、「テレビでは見たことはありましたが、あんなに広いんだと感じました。ブノワさんがとても優しい方で、途中でスピードを落としてくれたんです(笑)」と振り返った。
「ジェットコースターとはまた違いますね。カッコよさもスピード感もありましたし、あのクルマに初めて乗らせていただいたことはすごく光栄です。緊張していたんですが、ブノワさんが優しくて良かったです」と篠田さん。
また、トレルイエもドライブを振り返り、「今までドライブしてきたクルマとは、音が静かなのがやはり違うよね。麻里子さんはロールケージに必死に捕まっていたので、よく覚えているよ(笑)」と笑った。
富士でのサーキット走行、そして“ゲームの聖地”で多くのファンに未来のスポーツカーの姿をみせたアウディe-tron・ビジョン・グランツーリスモは、日本のファンにも強いインパクトを残したようだ。