映画『あみこ』が9月1日から東京・ポレポレ東中野で1週間限定で公開される。
昨年の『第39回ぴあフィルムフェスティバル』で観客賞を受賞した同作。とある高校を舞台に、ニヒリストの16歳・あみこと、あみこが思いを寄せるサッカー部員で同じくニヒリストのアオミが織り成す物語を描いている。
監督、脚本、撮影、編集を務めたのは、同作が初の映画作品となった山中瑶子。出演者には春原愛良、大下ヒロト、峯尾麻衣子、長谷川愛悠、廣渡美鮎が名を連ねる。山中はスタッフとキャストをSNSで探し出し、大学をドロップアウトした後の19歳から20歳の間に独学で同作を作り上げたという。
山中監督は同作で『第68回ベルリン国際映画祭』に史上最年少で正式招待。中国、韓国、スペイン、アメリカ、カナダの映画祭でも上映された。『ベルリン国際映画祭』フォーラム部門ディレクターのクリストフ・テルヘヒテは「ルイ・マルの『地下鉄のザジ』を彷彿とさせ、想像力と遊び心に関して言えば、ヤマナカヨウコ、あんたが一番!」とコメントを述べた。また坂本龍一は「60年代初頭に登場したヌーヴェル・ヴァーグの映画のような軽さと滑稽さ、痛さとテンポが感じられる。今後の作品が楽しみだなあ」と評している。
あわせて予告編と場面写真が公開。予告編には、あみこが教卓に座って頬杖をつく姿や、自転車をこぐ場面、カード遊びに興じる生徒たちの様子、「『日本の女子高生』の概念を覆す、珠玉の66分。」という言葉などが映し出されている。
■坂本龍一のコメント
久しぶりに爽やかな日本映画を観た気がする。何というか映画の後味が爽やか。そして若い。そう、60年代初頭に登場したヌーヴェル・ヴァーグの映画のような軽さと滑稽さ、痛さとテンポが感じられる。今後の作品が楽しみだなあ。
坂本龍一