舞台『音楽劇「道」』が12月8日から東京・日比谷の日生劇場で上演される。
同作は、1957年に『第29回アカデミー賞』外国語映画賞を受賞したフェデリコ・フェリーニ監督の映画『道』を舞台化したもの。粗暴な大道芸人ザンパノと、貧困に喘ぐ家族のためにザンパノに買われた純粋無垢なジェルソミーナが織り成す物語を描く。『道』が日本で舞台化されるのは今回が初となる。
主人公のザンパノ役を演じるのは、フェリーニ作品に初挑戦する草彅剛。草彅は自身の役について「僕が演じる旅芸人ザンパノは、粗野でわがままで、どうしようもなく不器用な男です。彼の愚かな振る舞いに、どうしてもっとうまく生きられないのかと、もどかしい思いと同時に、彼の心の純粋さにこの物語の奥深さを感じました」とコメントを寄せている。
脚本をゲイブ・マッキンリー、演出をフェリーニの『8 1/2』を原作としたミュージカル『NINE』などを手掛けたデヴィッド・ルヴォーが担当。ルヴォーは草彅について「彼は最初から直感的にこの作品の深いところまで的確に理解を示してくれました。そして恐れずこの作品そしてザンパノという役に挑戦する勇気ある姿勢に感銘を受けました。まさに知性とカリスマ性を兼ね備えた素晴らしい俳優です」を評している。
チケットの抽選先行受付は9月14日11:00からスタート。一般販売は10月13日開始予定だ。詳細は『音楽劇「道」』のオフィシャルサイトで確認しよう。
■草彅剛のコメント
フェリーニの映画『道』を観て、古いフィルムからでも伝わる役者のエネルギーと登場人物たちの生き様に、始まって5分で感動し心つかまれました。僕が演じる旅芸人ザンパノは、粗野でわがままで、どうしようもなく不器用な男です。
彼の愚かな振る舞いに、どうしてもっとうまく生きられないのかと、もどかしい思いと同時に、彼の心の純粋さにこの物語の奥深さを感じました。
この名作にルヴォーさんの演出で出演できることがとても楽しみです。彼は舞台化にあたり沢山のアイデアを話してくれましたが、ルヴォーさんなら、どのようなシチュエーションになっても大丈夫だと確信しています。
子供の頃からよく足を運んだ伝統ある日生劇場の舞台に立てる事も幸せです。ここで様々な作品を観劇しました。
特別な精神や魂の宿った場所だと感じています。この劇場が『道』という作品を呼んだのではないでしょうか。
■デヴィッド・ルヴォーのコメント
映画『道』は、美しい悲劇だと思います。ジェルソミーナの魂が、日常の残酷さから逃避し、人生の中で最も美しいものを求める旅をします。彼女はそれをサーカスという創造性の美しさの中に見出すのです。
私は、ジェルソミーナが感じた共感や驚愕まで観客の皆さんを連れていきたいと思っています。また、フェリーニがサーカスという世界観を作り出したように、私も観客を魅了するエンターテインメント要素を盛り込みたいと考えています。それは、映像というメディアとは全く違う、演劇的な命を吹き込むことです。
フェリーニの奇妙だけれど強烈に惹きつけられる世界を、舞台という場所で呼び起し、観客の感情をゆさぶりたいと思います。
・草彅剛の印象
草彅剛さんとは、初対面から非常に本質的なお話をしました。彼は最初から直感的にこの作品の深いところまで的確に理解を示してくれました。そして恐れずこの作品そしてザンパノという役に挑戦する勇気ある姿勢に感銘を受けました。
まさに知性とカリスマ性を兼ね備えた素晴らしい俳優です。彼の中に、ザンパノの持つイノセント(無垢)であると同時に残酷さを併せ持つ質感をイメージできました。
ご一緒できるのをとても楽しみにしています。