トップへ

FIA-F4富士:ポイントリーダー角田が苦戦。小高一斗が連勝飾る

2018年08月08日 12:51  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

8月4~5日に行われたFIA-F4富士大会で2連勝を飾った小高一斗(FTRSスカラシップF4)
FIA-F4の第7戦~8戦が富士スピードウェイで開催され、2戦ともにポールポジションは名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレーシング)が獲得。チームメイトでポイントリーダーの角田裕毅(HFDP/SRS/コチラレーシング)の連勝阻止に期待がかかったが、激戦の末に第7戦を制したのは、小高一斗(FTRSスカラシップF4)で、第8戦でも優勝を飾ることとなった。

 木曜日、金曜日に行われた専有走行で、ここまで快進撃を重ねて来た角田裕毅(HFDP/SRS/コチラレーシング)の調子が今ひとつ。

 トップのコンマ数秒差と、絶えず上位にはつけていたが、2カ月のインターバルが何か影響を及ぼしてしまったのかと思えるほど。代わって好調なのは、小高一斗(FTRSスカラシップF4)や石坂瑞基(TOEI BJ Racing F110)、名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレーシング)だった。

 予選は奇しくも7番手までベストタイム、セカンドベストタイムが同じ順。Wポールを名取が奪い、2番手が小高で、3番手が菅波冬悟(OTG DL F110)、そして角田が4番手。以下、石坂、川合孝汰(DENSOルボーセF4)、澤田真治(MediaDo ADVICS影山F110)という順に。

「練習(走行)ではトップこそ獲れませんでしたが、ずっと調子は良くて。予選ではしっかりまとめることができました。しっかり納得のいく走りもできましたし、みなさんにいいレースを見せたいと思います」と名取。

 決勝ではフロントローからスタートした名取と小高が、並び合うように1コーナーに飛び込んでいく。が、あえて名取はインを閉めず、そこをスルリと小高が通り過ぎていく。後に名取は「抜かれない自信はあったんですが、それは完全に僕の油断でした」と振り返る。

 これで小高がトップに立つが、そのまま振り切るまでには至らず。しかし、背後には名取と小高が続き、チームメイト同士の攻防を繰り返す間に、菅沼や澤田らの接近を許すことになる。

 一列で連なるトップ争いは、まさに壮観の一言。その中で最も勢いに満ちていたのは菅沼で、2周目には2番手に浮上。その勢いのまま続いて小高にも迫る。

そこで小高は策を講じる。「序盤は僕のペースが上がらなかったので、それならまとめちゃおう」と。混戦状態のなかではふたたび這い上がれないかもしれないから、より激しいバトルを生じさせて、自分は逃げようというわけだ。結果、「菅波選手に抜かれちゃったのは誤算でしたが、すぐ抜き返せて。そこからは狙いどおりの展開になってくれました」と小高。

 終盤は逃げる格好となった小高に対し、後方では菅波、角田、名取によるバトルが続くも、最終ラップのダンロップコーナーでラインを乱す不運が。せっかくの健闘も空しく、6位でのゴールに甘んじた。「正直、2位狙いに徹しました。勝てなければ、2位も3位も一緒なんですけど、ポイントのことを考えると」と語る角田が名取を抑えてゴール。

そして、ひさびさの優勝となった小高は「1位のトロフィーが重かったですね(笑)。2位、3位の(トロフィー)はもう持っていますから。ここから巻き返しますというか、巻き返さないといけない。人生かかってますんで!」と強く語っていた。

 続く第8戦では、第7戦の反省を踏まえ、スタートを決めただけでなく、しっかりインを閉めた名取がホールショットに成功。小高、菅波、そして石坂を背後に置いて1コーナーをクリアしていく。第7戦では序盤の接触でフロントウイングを痛め、ずるずると順位を落としていた石坂、練習での好調ぶりの再現が、今度こそ期待された。

やはりというべきか、名取もまた後続を早々に振り切るまでには至らず、4周目まではトップ集団が縦一列。そんななか、3番手につけていた小高が5周目のダンロップコーナーでミスしたことで、名取と角田との差も広がり、そのまま一騎討ち状態になっていくかと思われた。

 しかし、自分への怒りが火を点けたのか、小高のペースが一気に上がる。「もともと後半重視のセッティングにしていた」とは言うが、一時は1秒以上に広がっていた差が次第に詰まっていく。

 10周目のコカ・コーラコーナーで、まずは角田をパスした小高は続いて名取にも迫るが、「昨日のレースで、みんなの走りを見て、すごく勉強になったことを活かしました」と、名取もなかなか逆転を許さず。

 だが、13周目に突破口は開いた。ストレートで名取に並んだ小高は、1コーナーでついにトップに浮上。「そこから先は一気にスパートをかけました。行くしかないと思って」と小高。最後は1秒5の差を名取につけて、見事2連勝を飾ることとなった。「次のSUGOも得意なコースなので、全然負ける気がしないです。この後、全部勝つつもりですし」と力強く語った。

 名取に続いてフィニッシュしたのは角田。最終ラップのコカコーラコーナーで石坂と接触し、肝を冷やす光景も見られたものの、ダメージを受けたのは石坂のみ。石坂はまたもチェッカーを受けられず、悔しい週末を終えることになった。4位は菅波が獲得した。