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木村拓哉の“Flow”な船旅が始まった 明石家さんまも登場した新レギュラーラジオ初回放送を聞いて

2018年08月08日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 木村拓哉の新たなレギュラーラジオ『木村拓哉 FLOW supported by GYAO!』(TOKYO FM)が、ついに8月5日よりスタートした。長い間、ファンを楽しませてきた前身番組『木村拓哉のWhat’s UP SMAP!』(TOKYO FM)という船を降りて、新たな航海のスタートとなったこの日。スペシャルゲストに明石家さんまを迎えて、実に賑やかな船出となった。


(関連:木村拓哉、23年半に渡り旅を続けてきた思い出の船 レギュラーラジオ番組『ワッツ』終了に寄せて


 明石家さんまと木村といえば、2002年にドラマ『空から降る一億の星』(フジテレビ系)での共演、そして2003年より続く特別番組『さんタク』(フジテレビ系)でもおなじみ。木村は、かつてV6 井ノ原快彦が司会を務めていた『あさイチ』(NHK総合)に出演した際、明石家さんまから「生かされている」という言葉をもらい、すべては見てくれる人がいてこそだということに気付かされたと話している。お互いに「墓場まで持っていく話」を交換した仲であることを明かしており、その繋がりは芸能界の中でも特別なものだ。


 リスペクトと親しみが混在した、ふたりならではの関係性。だからこそ、明石家さんまを前にしたときにしか引き出されない木村の表情もある。ラジオの中では「拓哉キャプテン」と呼ばれるように、リスナーを導く頼もしい顔を見せることが多い木村。それに対して、明石家さんまと会ったときには、どこか弟的な愛らしさが増すように見える。番組では、明石家さんまがスタジオに入るところから音声が流れた。「来た!」と声を弾ませた木村に、明石家さんまが可愛がりたくなる気持ちもわかる。


 オープニングから「ジャックされるんじゃないかな」とジョークを言っていた通り、番組では明石家さんまのトークが炸裂。ふたりにとってのラジオの特別感から、芸能界のトップを走り続けてきた明石家さんまが考える引き際について、と話は尽きない。もしかしたら長年愛されてきた『木村拓哉のWhat’s UP SMAP!』では木村のひとり語りがメインだったこともあり、ゲストの聞き役に回った番組に少し物足りなさを感じたリスナーもいたかもしれない。そして、前身番組では毎週のように流れていたSMAPの楽曲がなかったことに、寂しさを感じた人も……。ぜひ名曲を流すチャンスは復活を願うが、今は大海原に再出発したばかり。まずは前例にもこだわらず、気持ちのよい方向を目指して、探しながら進んでいるのだと思いたい。これから訪れるどんな変化の波もファンと一緒に、しなやかに乗りこなすことが“Flow”というサーフィン用語にちなんだ番組名に込められた、木村の想いなのではないだろうか。


 そして、今度からはリスナーの要望に応える木村の様子を映像でも楽しむことができる。『木村さ~~ん!』と名付けられたGyao!での動画配信。これほどナチュラルな“木村拓哉”を見られるコンテンツは、今まで多くはなかったように思う。新たな番組のスタートに寄せて、木村が選んだ言葉は「自然体」。すずりで墨をすり、毛筆で書く。自然体の姿がこんなにも凛としているなんて、と改めてその誇り高い佇まいに感動すら覚える。爪の白いところが少しでも伸びると許せなかったり、納豆のフィルムを豆がくっつかないように取ったりと、人間らしい木村拓哉を垣間見ることもできた。


 ゲストが引き出す顔、動画で知る自然体な姿。この世界のように、まだまだ知られざる木村の魅力が見つかる。そんな『Flow』な船旅は、今始まったばかりだ。(文=佐藤結衣)