高校野球のシーズンが始まった。8月5日の第一試合から連日熱戦が繰り広げられているが、今年の夏は特に暑いこともあって、通常通りの開催を不安視する人も多い。
医師専用コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアは7日、全国高校野球選手権の開催に関するアンケートの結果を発表した。調査は7月31日、同サイトを利用する全国の医師を対象に実施。3000人が回答した。
最も多かった回答は「特別な熱中症対策等の条件付きで開催すべき」で58%。2位は「このまま例年通り開催すべき」で17.3%、3位は「開催すべきでない」で15.9%だった。
「予想気温何度以上は試合見合わせとか、適宜休憩を入れグランドに散水とか」
「特別な条件付きで開催すべき」と回答した医師に具体的な条件を聞くと、
「地方大会ですが、試合観戦にいっていて倒れた方を2人診ました。やはり、適切ではありません。精神論ではいけません。開始時間を早める、12時から午後4時ぐらいは行わない、などの対策が必要です」(60代 一般内科 開業医)
「熱中症対策を観客側も主催者側も十分やればできると思います。予想気温何℃以上は試合見合わせとか、グランドも何℃か経時的に測定しつつ、漸次休憩を入れグランド散水するとか」(70代 アレルギー科 勤務医)
など、試合時間の変更や入念な熱中症対策が多く挙げられた。
例年通りの開催を支持した医師からは、「球児は暑さも込みで練習に励んできたはずです」、「年中屋外で練習して暑さには順応した身体を備えています」など、暑さに耐えられる身体になっているから大丈夫だという見解が寄せられた。むしろ、
「観客が心配ですね。高齢者も多いですし、観客席は無風、湿度、凄い環境でしょうから」(40代、整形外科・スポーツ医学、勤務医)
「野球は投手、捕手、審判以外は休息ができるので比較的対策は立てやすいですが、観客はケアしてもらわなくてはなりません」(50代 整形外科・スポーツ医学 開業医)
と、観客の熱中症を心配する声が多かった。
開催反対の医師からは「暑すぎて、もはや個々の対策では熱中症を防げない」という指摘も
一方で、「開催すべきでない」と回答した医師からは、「あまりに気温が高すぎるので、もはや個々の対策で熱中症を防げるものではない」(30代 血液内科 勤務医)といった声が出ている。
「死亡者が出てからでは遅い。大会中の注意だけでは普段の練習中に起こりうるリスクの低減にはならず、大会の開催自体を考え直す必要がある」(60代 小児科 開業医)
「選手、応援する生徒に暑い中行わせるのは、リスクが大きいと思います。やるならドーム開催だと思います」(50代 一般内科 勤務医)
最近は連日の猛暑を受け、2年後の東京オリンピックの暑さ対策の不十分さも指摘されているが、今回のアンケートでも「高校野球だけでなく、オリンピックにおいても考えたほうがいいと思います」(50代 精神科 開業医)というコメントがあった。
高校野球は8月16日まで開催される。