ウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ(WSCC)を運営するIMSAは8月3日、シリーズ第9戦の舞台となったロード・アメリカでカンファレンスを行い、2019年からDPiとLMP2を2つのクラスに分割することを発表した。
現在、シリーズの最高峰クラスであるプロトタイプクラスはニッサン、マツダ、キャデラック、アキュラの自動車メーカー4社がそれぞれに製作したDPiマシンと、WEC世界耐久選手権をはじめとするル・マン・シリーズに出場可能なLMP2マシンが、IMSAの定めるBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)の下で総合優勝を争っている状況だ。
しかしこの構図は、LMP2の改良型マシンであるDPiを入手できないチームから「上位入賞する権利を奪われている」などの批判があり、DPiの導入初年度となった2017年からセパレート案が浮上していた。
そのような声を受け、今季はふたつの規格のマシンを同じクラスで走らせることを継続しながらも、中盤戦からDPiの性能を落としLMP2にも総合優勝のチャンスが訪れるよう、BoPを大幅に改訂。この結果、直近3戦ではWEC/ル・マンなどで活躍するフランス、オレカ製のオレカ07・ギブソンがDPi勢を破って3連勝を果たしている。
そんななかIMSAは今回、LMP2チームの大半が支持しているプロトタイプクラスの分割を推進することを決定した。
2019年シーズンは、自動車メーカーが支援するDPiをプロフェッショナルドライバーによるスペシャルクラスとする一方で、グローバルスペックマシンを用いるLMP2クラスはプロとアマが1台のマシンをシェアするプロ-アマクラスとなる予定だ。
IMSAのスコット・アサートン代表は「2カテゴリーを分割することで現在、性能を抑制されているDPiが初期のパフォーマンスを取り戻すことになる」とコメント。決定がシリーズの魅力をさらに高めるものであるとした。
DPiとLMP2、GTE規格のGTル・マンにFIA GT3カーで争われるGTデイトナの合計4クラス制が復活する来季のWSCCは、LMP2とGTDクラスでゴールド/プラチナドライバーの最大運転時間が制限されることが合わせて発表されている。