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LEXUS GAZOO Racing 2018スーパーGT第5戦富士 レースレポート

2018年08月07日 08:51  AUTOSPORT web

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ワン・ツー・フィニッシュを果たした中嶋一貴/関口雄飛(右)と平川亮/ニック・キャシディ(左)
スーパーGT 第5戦
FUJI GT 500mile RACE

中嶋一貴/関口雄飛組 LEXUS LC500が雪辱の今季初勝利!
平川亮/ニック・キャシディ組が2位で続きワン・ツー・フィニッシュ

 1カ月ぶりのスーパーGTはLEXUSにとっての“ホーム”富士で今季最長の500マイルレースとして行われ、中嶋一貴/関口雄飛組 au TOM’S LC500 36号車が今季初勝利。平川亮/ニック・キャシディ組 KeePer TOM’S LC500 1号車が2位で続き、ワン・ツーフィニッシュを飾りました。
 
 GT300クラスでは嵯峨 宏紀/平手 晃平組 TOYOTA PRIUS apr GT 31号車が3位に入り、今季3度目の表彰台を獲得しました。

 スーパーGT第5戦『FUJI GT 500mile RACE』が8月4日(土)、5日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
 
 今大会は、スーパーGTでは初、そして今季の同シリーズでは最長となる500マイル(約800km)としての開催。700kmを越える距離でのレースのため、獲得ポイントも多くなっており、後半戦に入ったシーズンのタイトル争いにおいても重要な一戦となります。

 今年は記録的な猛暑ということもあり、ドライバーやブレーキ、エンジン冷却などにも厳しいレースとなることが予想されるなか、各チーム、ドライバーともにスーパーGT初の500マイルレースでの記念すべき勝者を目指し挑みました。

◆予選◆
 4日(土)予定よりも5分早い、午後2時35分から、気温31度、路面温度44度というコンディションでノックアウト方式の予選が開始されました。

 午前中に行われた公式練習中、ZENT CERUMO LC500 38号車がブレーキトラブルによりクラッシュ。車両修復が間に合わないため、38号車は予選欠場となりました。

 ライバル勢がタイムシートの上位を競り合うなか、au TOM’S LC500 36号車は、ル・マン勝利からの凱旋となった中嶋一貴がLEXUS勢最速タイムで3番手。これに、好走を見せたルーキー山下健太のWedsSport ADVAN LC500 19号車が4番手で続きました。

 ランキング上位を争い、重いウエイトハンデに苦しみながらもKeePer TOM’S LC500 1号車は平川が8番手タイムをマークしQ2進出。DENSO KOBELCO SARD LC500 39号車は11番手、WAKO’S 4CR LC500 6号車は13番手でQ1敗退となりました。
 
 Q2でも36号車が速さを見せ、関口雄飛が3番手タイムをマーク。国本雄資がアタックした19号車は6番手、ニック・キャシディがアタックした1号車は7番手から日曜日の決勝レースをスタートすることとなりました。

 GT300クラスは、Q1でトップ14台がコンマ5秒以内に入る激戦となりましたが、平手晃平がアタックしたTOYOTA PRIUS apr GT 31号車が5番手と好タイムでQ2進出。

 K-tunes RC F GT3 96号車は17番手、TOYOTA PRIUS apr GT 30号車が22番手、SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車が23番手、arto RC F GT3 35号車が25番手でグリッド確定となりました。

 Q2では嵯峨宏紀が31号車のアタックを担当し、11番手から決勝に臨むこととなりました。

◆決勝◆
 前日激しいクラッシュで車両に大きなダメージを負ってしまった38号車でしたが、メカニックの夜を徹しての復旧作業により、5日(日)の朝には車両は完全に修復。予選を走行していなかったため、嘆願書の提出により、最後尾から決勝レースに出場することとなりました。

 5日(日)午後1時半、気温31度、路面温度47度と相変わらずの暑さのなか、静岡県警の白バイとパトカー先導による交通安全パレードに続いてのフォーメーションラップを経て、177周、500マイルで競われる長いレースのスタートが切られました。

 3番手からの36号車スタートを担当した関口はポジションをキープ。7番手グリッドからスタートでひとつポジションを上げた1号車のキャシディは、6周目に19号車をパスし5位へ。

 大クラッシュから奇跡の復帰を果たした38号車は、クラッシュで破損したエンジンを交換し、シーズン3基目を使用したことにより5秒間のピットストップペナルティを受けることに。大きく遅れながら追い上げるレースとなりました。

 36号車関口、1号車キャシディともにトップ2台とはほぼ変わらないペースで、大きく離されることなく周回を重ね、23周目には2位浮上。36周終了時点でピットへ向かい、中嶋一貴へとドライバーチェンジしました。しかし、このピット時、右リヤタイヤの交換に手間取りタイムロス。ピットアウトした中嶋一貴は4位へとポジションを落としてしまいましした。
 
 しかし、中嶋一貴は諦めることなく追撃を開始。じりじりと差を詰めていき、60周目に3位、64周目には2位まで順位を取り戻しました。

 73周目を終えて36号車は2度目のピットに向かいましたが、ふたたび右リヤタイヤの交換でタイムをロス。36号車に続く位置で追っていた1号車にもかわされ、1号車が3位、36号車は5位でふたたび追い上げを強いられることに。しかし、36号車の関口も目覚ましい追い上げを見せ、キャシディの1号車もかわし、98周目には2位まで再浮上を果たしました。

 この時点で首位とは18秒ほどの差があり、その後、36号車は2位、1号車は3位のポジションで終盤戦へ。今大会は最低4回のドライバー交代が義務づけられており、最少回数のピットの場合、スタートドライバーが最終スティントを担当することになります。

 145周目を終えて残り32周で1号車がピットへ向かい、平川からキャシディへ。36号車は148周終了、残り29周でのピットイン。中嶋一貴から関口へとドライバーチェンジしピットアウトした直後には、首位との差は約25秒でしたが、ソフトタイヤで逆転優勝を目指し関口がコースに復帰した直後、首位を走行していた車両がトラブルによりスローダウン。これで36号車が首位、1号車が2位へとポジションを上げLEXUS LC500のワン・ツー体制となりました。

 時刻は夕方6時を回り、徐々に暗くなっていくコースでの終盤戦、3位以下を大きく引き離した36号車と1号車の2台は、数秒差を保ったまま周回。36号車がトップで177周のチェッカーを受け、前戦首位を争いながらファイナルラップで痛恨の燃料切れに終わった雪辱を果たし、今季初勝利を挙げました。2位には1号車が入り、チーム・トムスにとって初となるワン・ツーフィニッシュを果たしました。

 13番手スタートから着実に追い上げた6号車が7位。クラッシュからの修復で最後尾スタート、そしてペナルティを受けながらも石浦と立川が諦めずに戦い続けた38号車は、終盤、ライバルの猛追を受け続けましたが凌ぎ切り、8位で貴重な4ポイントを獲得。19号車も10位でポイント獲得を果たしました。

 今大会の結果、平川/キャシディ組がランキングトップに浮上。36号車の関口(中嶋一貴は欠場があるため)が7ポイント差の2位とタイトル争いに加わることとなりました。

 GT300クラスでは、4回のドライバー交代義務を逆手に取る作戦で、60号車と96号車が1周目を終えた時点でピットイン。最後尾から追い上げを開始しました。一方、11番手からスタートを切った31号車は、スタートを担当した平手が目覚ましい追い上げを見せ、13周目には3ワイドでのバトルを制して5位へとポジションアップ。その後は2スティントを1セットのタイヤで走る作戦で、嵯峨がトップ5圏をキープ。最後にピットで3位に浮上してバトンを受け取った平手が3位でチェッカー。今季3度目となる表彰台を獲得し、ランキング2位の座を守りました。

 96号車は10位でチェッカーを受けポイント獲得。35号車も16位でチェッカーを受けました。60号車は18周目にトラブルによりリタイア。30号車は1周目のヘアピンで他車と接触。足回りにダメージを負い、リタイアに終わりました。

au TOM’S LC500 36号車 ドライバー 中嶋一貴
「今大会は我々にとっては勝たなくてはいけないレース、勝たなければ今シーズンが終わってしまうと言う覚悟で臨みました。それだけに、勝ててほっとしています。他チームのトラブルという、ツキもあったと思いますが、我々も今季はあまり恵まれておらず、特に(関口)雄飛はツキがなかったので、このコンビになってやっと勝てて良かったなと思っています」

「パフォーマンス的にはライバルに遜色なかったですし、部分的にはこちらの方が良い部分もあったと思いますが、展開的に厳しい戦いとなる中で、リスクをある程度取りながらも、長いレースをノーダメージで最後まで走り切ったご褒美というか、そういう結果ではないかと思っています。トムスとして初のワン・ツーフィニッシュを飾れたというのも最高にうれしいです」

au TOM’S LC500 36号車 ドライバー 関口雄飛
「前戦タイでの悔しいレースの後だけに、なおさら優勝はうれしいです。僕が最終スティントに乗るときにはまだ1位ではなかったのですが、ソフトタイヤで行くと決め、諦めていませんでした。このチームに移籍して初の表彰台が初優勝ということで、もう第5戦目になってやっと結果が出せてちょっとほっとしています」

「最後はブレーキが厳しいと言われており、そんななかでチームメイトの1号車が後ろに来ていたのをコントロールしながら、すごく気を遣いながらの走りでした。トムスで初めてのワン・ツーと聞いたので、チームとしても素晴らしい日になったのかなと思います」

KeePer TOM’S LC500 1号車 ドライバー 平川亮
「燃料リストリクターとウエイトハンデが厳しいなか、昨日は上手くQ1を突破でき、7番手からのスタートということで、昨日の時点では4位くらいを目標にしていました。今朝のウォームアップ走行で結構良い感触で、レースを走り始めてからもペースが良く、どんどん追い上げることができました」

「何度もバックマーカーに引っかかってタイムロスしたのが悔しいですが。トムスで初めてのワン・ツーということで、ピットでも頑張ってくれたチームのおかげだと思っています」

「ランキング首位にはなりましたが、ハンデが半分になる第7戦オートポリスでのことも考えながら次戦SUGOは戦わなくてはならないのかなと思っています。ただ、ライバルとはまだそれほど差はありませんし、今回の36号車のように、1戦で一気に上位に来たりするので、まだまだ気は緩められません」

KeePer TOM’S LC500 1号車 ドライバー ニック・キャシディ
「燃料リストリクターとウエイトハンデが重いなか、周回遅れにならなかっただけでも奇跡と言えるほどで、ライバルよりも最高速でずいぶん劣るなか、800kmという長丁場を戦って、あの僅差でフィニッシュできたという意味でも、良いレースができたと思います」

「ライバルは特にストレートで、カテゴリーが違うのではないかと思うほど速かったのですが、そのなかでも力強いレースができました。トムスのワン・ツーはうれしいですが、勝てる可能性もあっただけに少し悔しいです」