アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)が、MotoGP第10戦チェコGPで今季2勝目を挙げた。やや低迷していたシーズン前半戦から一転、表彰台の頂点に返り咲いた。
ドヴィツィオーゾは今季の開幕戦ウイナーだった。2017年にマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)とチャンピオン争いを繰り広げ、その勢いは2018年も健在かと思われたカタールGP。続く第2戦アルゼンチンGP、第3戦アメリカズGPでは表彰台を逃したものの、ヨーロッパラウンドに乗り込んできたときには、ドヴィツィオーゾはポイントランキングトップだったのだ。
しかし、第4戦スペインGP以降のドヴィツィオーゾは波に乗り切れていない印象だった。というのも、3戦で転倒によるリタイアを喫していたからだ。チームメイトのホルヘ・ロレンソはイタリアGP、カタルーニャGPで連勝。イタリアGPで2位表彰台に上がったドヴィツィオーゾは、ロレンソの後塵を拝したことをどう感じていただろうか。
サマーブレイク明けのチェコGPの初日。ドヴィツィオーゾは初日から好調だった。初日総合5番手につけると、予選では最後のアタックでトップに躍り出て、2016年マレーシアGP以来のポールポジションを獲得した。予選後、「ここまでは完ぺきな週末だ!」とドヴィツィオーゾは語った。
決勝レースでもドヴィツィオーゾの好調さは変わらなかった。ホールショットは2番手スタートのバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ・MotoGP)に奪われたものの、ドヴィツィオーゾは3コーナーですぐさまそのポジションを奪い返す。中盤まではロッシ、終盤にはマルケスやロレンソとトップ争いを演じたドヴィツィオーゾの走りは安定しており、自信のようなものがうかがえた。
チェコGPは、終盤までトップ集団が離れることのない接戦と言えた。ドヴィツィオーゾが先頭でチェッカーを受けたとき、2位のロレンソとの差はわずかコンマ178秒。それでも振り返ってみれば、レースの大半をリードしたのはドヴィツィオーゾだった。
「すばらしい勝利だ!」とドヴィツィオーゾはよろこびをあらわにする。
「今週はうまくいくと思っていたけれど、こんなにすばらしい勝利を飾ることができるとは思っていなかったよ。金曜日の最初のセッションから僕は速かったし、予選も抜群だった。そして、レースは完ぺきな戦略だった。すべてに満足しているよ」
「毎周レースをマネジメントしていたし、周りで起こっていることを解釈し、ライバルの走りを観察するように努めた。リヤタイヤを使いすぎることなく、いいレースができたよ。終盤は少し苦しかったけれどね。ホルヘ、マルクを抑えることができた。今日はふたりとも速かったので、余計にうれしい」
ドゥカティがチェコGPで優勝を飾ったのは、2007年のケーシー・ストーナー以来。ドヴィツィオーゾは11年ぶりの勝利をドゥカティにプレゼントし、ポイントランキングでも3番手に浮上した。