中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)はMotoGP第10戦チェコGPを17位で終えた。週末をとおしてコーナーの旋回性に苦しんだ中上。決勝レースでばん回はならず、ポイントを逃す結果になった。
前週、7月29日に鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦した中上にとって、MotoGP後半戦の幕開けは連戦の形で迎えることになった。加えて鈴鹿8耐で走り込んだスーパーバイクと、MotoGPマシンの乗り換え作業も必要だった。中上はいい流れをつくれないまま、予選を20番手タイムで終える。
予選後には「バイクに充分なフィーリングを得ることができず、特にコーナー進入とリヤのグリップ感に苦戦している」と語っていた。
迎えた決勝日は、朝のウオームアップ走行で転倒負傷したポル・エスパルガロ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)が欠場。中上は19番グリッドからスタートした。
好スタートを決めて1、2コーナーにかけてポジションを上げていた中上。しかし3コーナー、目の前でマーベリック・ビニャーレス(モビスター・ヤマハ・MotoGP)、ブラッドリー・スミス(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)、ステファン・ブラドル(HRC Honda Team)の3台による多重クラッシュが発生した。
「3コーナーで目の前で転倒が発生したときは、回避する余裕がほとんどありませんでした。ブレーキでなんとか難を逃れ、コース上に残れたのはよかったのですが、大きく順位を落とすことになってしまいました」
中上はオープニングラップは20番手で終える。そこからは、タイムの伸び悩みに苦しんだ。好感触を得ていたハードコンパウンドのタイヤをフロント、リヤともに選択していたものの、ラップタイムは上位陣から約1秒遅れていた。
「1分57秒台後半のタイムで周回したかったのですが、厳しい状況でした。マッピングや乗り方を変えて工夫したのですが、ねらっていたタイムを出せませんでした。いいバイクに仕上げるよう全力でがんばってくれたチームには結果を持ち帰ることができず、申し訳ない思いです」
第10戦、第11戦と連戦となるMotoGPは、8月10日から早くもオーストリアGPが始まる。「今週は、総じて厳しいウィークになってしまいました」とチェコGPについて語った中上。月曜(8月6日)に行われる公式テストで、苦戦の理由を解き明かして次戦に挑みたい。