日本ボクシング連盟を告発した「日本ボクシングを再興する会」の代表・新潟県連理事長の鶴木良夫氏が、8月6日放送の「とくダネ!」(フジテレビ)に生出演した。奈良県の選手に有利な判定がされているとする「奈良判定」について、「まず奈良判定という表現を謝りたい」などとお詫びする場面があった。
告発を受けた日本ボクシング連盟の山根明終身会長は4日、奈良判定について報道陣の質問に「君らは相手側の意見を聞いて質問してる」「(判定指示は)ありません!ありません!」と怒鳴るように否定している。(文:okei)
「一生懸命やっている奈良の選手たちには全然関係ない」
鶴木氏は、この否定に対して「どのように証明していくか」聞かれると、次のように話した。
「まず奈良判定という表現を謝りたいと思ってます。一生懸命やっている奈良の選手たちには全然関係ない、責任のないことなので。これらからは山根マジックと呼んでいただきたいと思っています」
これは、「KOしないと"奈良だから"といわれてしまう」などと、奈良の選手に動揺が広がってることに配慮した発言だ。司会の小倉智昭さんも、「奈良は強い選手いますからね」と受けた。
山根会長は「奈良の選手を勝たせろ」などと言ったことは「ありません!」と断言しているが、鶴木さんは「"言ってない"以上の効果が出ているのが一番の問題」と訴えている。
現役の審判から、「様々な恫喝や、山根会長の意に沿わない判定をした人はその場で帰されたり、隅で待機させられたりした」という証言が取れていると明かし、「直接この選手を勝たせよう負けさせようと言うことはなかったが、言った以上の結果を表していたんですね、全体で。だから一番根が深い」と、忖度を強要し続けた山根会長の罪深さを重ねて強調した。
連盟ではいまだ山根会長支持が多いが……「公正な判断を期待している」
山根会長は、報道陣の取材に対し、
「引退しろって誰に言うてんねん。俺は歴史を持ってる男や!連盟を改革してきている男や!」
「(補助金不正流用について)調査したらええねん!そんな罪ない!」
「世界でカリスマ山根と呼ばれている男ですから」
などと、どこまでも強気だ。脈絡無く激昂し、「JOCに行って腹切って死ぬ」とまで怒鳴っていた。
一連の突拍子もない言動に、小倉さんが会長就任当時の連盟の雰囲気を鶴木さんに聞くと、やはり会長になった当初から、「この人で大丈夫か」という不安が広がっていたそうだ。だが誰も異論を出せなかった。たまりにたまったものがあり、準備段階を経て今回の告発となったそうだ。
「日本ボクシングを再興する会」は明後日8日に緊急会見を開き、経緯の説明と新たな告発状を出す予定だ。新事実を出せば出すほどボクシングのイメージが悪くなってしまうが、それもやむなしで世間に理解を求めるという。
今後は会長の除名を要求できる臨時総会の召集を目指すが、いまだに山根会長支持の一般理事は多い。怯えているのか何らかのメリットがあるのかは「答えてくれない」というが、鶴木氏は今回の騒動で賛同者が増えると予測しており、「良識ある理事の判断を待ちたい」としている。