又吉直樹の小説『人間』の連載が、9月3日から毎日新聞夕刊で開始する。
又吉にとって初の新聞連載小説となる同作の物語は、東京で漫画家の夢に破れた男が、38歳の誕生日を迎え、かつて同世代の仲間と過ごした日々を振り返るところからスタート。挿絵は村田善子が担当する。『人間』は、『第153回芥川龍之介賞』を受賞したデビュー作『火花』、『劇場』に続く長編第3作。
又吉は「子供の頃から、紙に『人間』という文字を書くと、ゲシュタルト崩壊が発生します。手順が多いためか、『間』の字が大きくなったり崩れたりします。その感覚は、自分が人間そのものについて考えているときの混乱と似ています」とコメントを寄せている。
■又吉直樹のコメント
この機会に、『人間』という小説を書いてみようと思います。
子供の頃から、紙に「人間」という文字を書くと、ゲシュタルト崩壊が発生します。手順が多いためか、「間」の字が大きくなったり崩れたりします。その感覚は、自分が人間そのものについて考えているときの混乱と似ています。
物語は、書き手である自分と同年齢の主人公が、38歳の誕生日を迎える場面から始まります。