元F1ドライバーのジョリオン・パーマーは、2019年にダニエル・リカルドがレッドブル・レーシングを離脱してルノーに移籍するのは、彼にとって良くない動きであると懸念を示した。一方で、彼の決断に理解も示している。
2016年、2017年にルノーに所属していたパーマーは、彼の古巣はまだレッドブルのレベルには達していないとの考えの下、「正直に言えば、これはリカルドにとっては後退だ」とBBCのRadio 5 Liveに対して語った。
「ルノーは上向いてはいるものの、現状では(レッドブルより)劣っている。このことに議論の余地はない」
リカルドはメルセデス、フェラーリ、マクラーレンなどとの契約を検討してはいたものの、レッドブルに残留する可能性が高いと広く信じられていた。彼自身、ベルギーGPまでには正式な発表がなされると発言していた。
その直後に移籍先が公表されたが、これは誰もが予想していない結果だった。
しかしパーマーは一方で、リカルドが移籍を決めた理由は理解できるという。現在のチームメイトであるマックス・フェルスタッペンの存在が、リカルドの決断の最大の要因になったと、パーマーは考えている。
■フェルスタッペンとは契約金に違いも?
2017年10月、フェルスタッペンは、2020年末までレッドブルに残留するという契約を高額で締結した。チーム首脳陣の気持ちは才能あふれるフェルスタッペンの方に向きつつあり、リカルドのことは控えのような扱いをしているとパーマーは話す。
「僕が思うに、レッドブルでのリカルドはフェルスタッペンの陰に隠れつつある。彼(リカルド)も、おそらくそれを感じているのだろう。それならば、そこにい続けるのは危険だ」
しかしルノーではそういった事態にはならない。経験豊富なニコ・ヒュルケンベルグのパートナーになるとはいえ、2019年はリカルドがナンバーワンドライバーとして活躍するだろうことに、疑いの余地はない。
「リカルドは、彼を大事に扱うであろうチームに加入することになる。チームが前進を遂げるうえで、彼には大きな期待をかけられている」
「チームにとっては原動力であり、そのことは彼がルノーに行くうえでは良いことだ。チームが技術的には少々、遅れを取っているのは確かだが」
リカルドは、自分にとって最大の目標はF1チャンピオンになることであり、次に在籍するチームとしてはそれを実現する見込みのあるチームを選ぶと常々主張してきた。しかしパーマーは、今回の交渉においては金銭面が大きな役割を締めていたと考える。
「昨年フェルスタッペンがレッドブルへの残留を決める際に多額の契約金を得た。そういう意味で、金銭面がひとつの要因になったのだと思う」
フェルスタッペンは契約延長にともなって、サラリーが大幅に上昇した。レッドブルはリカルドに関しては同様の契約金引き上げを提示しなかったために、リカルドが移籍を決めたとの見方もなされている。
リカルドの離脱により、レッドブルのシートには空きができたことになる。ルノーを離れることになったカルロス・サインツJr.が、このシートの最有力候補となっている。