そのなかでも戦略が分かれることになるが、最終的に富士を得意とするマシン特性、そしてブリヂストンタイヤのパフォーマンスで圧勝を収めたのがARTA BMW M6 GT3だった。一方、2位のグッドスマイル 初音ミク AMGは、4回のストップを均等割り。全ストップでタイヤ交換を行ったが、高いペースでポジションを上げてきた。
一方、3位の31号車TOYOTA PRIUS apr GTは平手晃平の速さを活かしつつ、無交換と四本交換を交互に行う作戦を採った。実は1スティントめを短くするような変則的な考えもあったようだが、「だいたいそういう作戦をやると失敗するからとみんなに反対された(笑)。普通にやったらうまくいった」と金曽裕人監督は笑う。
■力があるチームが上位に 最終的にはARTA BMW M6 GT3が優勝、表彰台は“均等割り”組が占めたが、“ピットイン義務をこなした組”にとって少々痛かったのは、セーフティカーが出るような大きなクラッシュが出なかったこと。これで途中のペースに差が出てしまった部分があるだろう。ただ、そんな中でも3位にTOYOTA PRIUS apr GT、4位にLEON CVSTOS AMGが食い込んだのは、ブリヂストンが今回強力なパフォーマンスを発揮したことが大いに関連しているだろう。
一方で、最後尾近くから作戦を奏功させたマネパ ランボルギーニ GT3の活躍も特筆すべきものだし、残念ながら終盤にタイヤトラブルに見舞われてしまったHitotsuyama Audi R8 LMSも、「ペースとしてはまだまだ(富田竜一郎)」と言いながらも、これまでの不運から抜け出つつあることを感じさせた。