8月4日、スーパーGT第5戦が開催されている富士スピードウェイで『Audi e-tron Vision Gran Turismo デモンストレーションラン』が行われ、アウディがプレイステーション用ソフト『グランツーリスモ』シリーズ向けに作り上げたコンセプトカーが富士スピードウェイを疾走した。
走行を行ったアウディ e-tron ビジョン グランツーリスモは、グランツーリスモと自動車メーカーがコラボレーションしてさまざまなコンセプトカーを作る『ビジョン・グランツーリスモ』の一環として作られたもの。
これまでホンダやトヨタ、メルセデスといったメーカーが参加してきたビジョン・グランツーリスモに、アウディは5年の歳月をかけて取り組んできた。そして今年4月、ハイブリッド仕様とEV仕様、ふたつのアウディ・ビジョン・グランツーリスモを発表した。
このうちEV仕様のアウディ e-tron ビジョン グランツーリスモについて、アウディは実際に走行可能なモデルを製作。4月13~14日のABBフォーミュラE選手権ローマE-Prixでデモ走行を披露している。今回、そんな世界に1台しかない貴重なマシンが富士スピードウェイに持ち込まれた。
富士で行われたデモランではアウディワークスのブノワ・トレルイエがドライブを担当。また助手席にはAKB48の卒業生で現在は女優として活躍している篠田麻里子さんが乗り込んだ。
「(富士に)戻ってくることができてうれしいし、スーパーGTの激しい予選を見ることができて感動だよ」とトレルイエ。
「ゲームから現実世界に飛び出たユニークなマシンで運転しやすいんだ。走る姿を早くみせたいよ」
また篠田さんはこれが初めてのサーキットということで緊張した面持ちながら、「プロのドライバーの横で貴重な体験ができることが楽しみです」とひと言。
トレルイエと篠田さんが乗りこんだアウディ e-tron ビジョン グランツーリスモはEV独特の加速力と、アウディの持ち味であるクアトロのパワーを生かして、またたく間にトップスピードへ加速。そのままTGRコーナーへ向かっていく。
TGRコーナーを立ち上がったあとは、ややペースを抑えながらの走りとなったものの、ホームストレートではふたたび全開加速。1度目の通過時にはグランドスタンド側、2度目の通過時にはピット側に寄りながら駆け抜け、ゲームから生まれたクルマとは思えない走りでサーキットに集まった観客を魅了した。
走り終えたトレルイエは「エレクトリックエンジンが運転しやすく、特に最終コーナーが最高だった」と興奮気味にコメント。また篠田さんも「最初は怖かったんですけど、だんだん楽しくなってきて。もうふつうのクルマじゃ走れないかも(笑)」とサーキット初体験を満喫した様子だった。
なお、このアウディ e-tron ビジョン グランツーリスモは決勝日にあたる5日(日)もイベント広場で展示されるほか、8月8日(水)には東京・秋葉原にあるベルサール秋葉原でも展示される。