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ストーカー男に酸攻撃を受けた女性、苦難乗り越えようやく自信を取り戻す(印)

2018年08月04日 05:13  Techinsight Japan

Techinsight Japan

ストーカーに結婚を迫られた挙句、酸攻撃された女性(画像は『Storytrender 2018年7月31日付「“JILTED STRANGER MELTED MY FACE IN SLEEP” – BRAVE 20 YEAR OLD FINALLY REGAINS CONFIDENCE AFTER HORRIFIC ATTACK」(Pics from Caters News)』のスクリーンショット)
見知らぬストーカー男に求婚され拒否した少女は、その後男から腹いせに酸攻撃を受けてしまった。人生を大きく変えるほどの傷を心身に受けた少女だったが、家族に支えられつつ事件から4年少し経った今、ようやく前向きに生きる希望を持てるようになったという。『Storytrender』などが伝えている。

インドのウッタル・プラデーシュ州ビジノールに暮らすアンシュ・ラジプットさん(20歳)は2014年2月12日、人生を大きく変える悲劇に見舞われた。

アンシュさんは15歳の時、通学途中で50代の男が自分をストーキングしていることに気付いた。ある日突然、求婚してきた男を気味悪く感じたアンシュさんは興味がないことを伝え、両親にも男の存在を打ち明けた。アンシュさんの両親は警察に被害届を提出したが、男のアンシュさんへのストーカー行為は止むことがなく、アンシュさんは学校を変えた。

両親が男に警告したにもかかわらずその行為はエスカレートし、2014年2月12日に男は壁を乗り越えてアンシュさん宅に侵入、家族と兄と一緒に寝ていたアンシュさんの顔に酸を浴びせた。

焼けるような痛みに飛び起きたアンシュさんだったが、この時はまだ自分が酸を浴びせられたとは気付かなかった。アンシュさんには酸攻撃についての知識がなかったのだ。男を取り押さえようとしたアンシュさんの兄を振り切って、男はそのまま逃走した。しかし同日夜に、警察に逮捕されている。

顔全体に酸攻撃を受けたアンシュさんは12日間、病院のベッドで激しい痛みに耐えながら泣き続ける日々を送った。顔の皮膚が溶け目を焼き、口の中にも酸を浴びせられたことでアンシュさんは見ることはおろか、話すことも食べ物を口に入れることも不可能になった。退院してからも7か月間は何も見えず話せない状態だったという。

「病室では、両親が医師へ必死に助けを請う声と泣き声だけが聞こえていました。自宅へ戻っても痛みが激しく、自分がどんな顔になったのかさえもわかりませんでした。その変わり果てた姿を見ることが耐えられず、家族は私のために家中の鏡を取り外しました。でもある日、スチールグラスに入った水に映った自分の顔を見て叫んでしまったのです。顔はすっかり溶けていて目も鼻も口も焼け、皮膚もただれていました。」

アンシュさんがそれまで通っていた学校側は、焼けただれた顔を見た他の生徒が怖がるという理由からアンシュさんを辞めさせた。近所では誰もアンシュさんを見ようとせず、話しかける人もいなかった。アンシュさんと自分の子供たちを関わらせないようにする住民までいたようだ。罪なき被害を被ったアンシュさんの心は激しく傷つき、深く落ち込んだ。しかしそんなアンシュさんをひたすら励まし続けたのは家族だった。「死にたい」と口にするアンシュさんに、家族は生き続けることが大切なこと、どんな姿になってもアンシュさんを深く愛していることを伝え続けたのだ。

2015年、家族は希望を失っていたアンシュさんを「Stop Acid Attacks」に参加させた。「Stop Acid Attacks」は、酸攻撃を受けた人々のリハビリや支援をするインドの非営利団体で、それに参加したアンシュさんは、酸攻撃の被害に遭った多くの若い女性たちが苦難を乗り越えて生きていることを知り、驚いたという。

「『Stop Acid Attacks』の女性たちは、私と違ってみんな前向きで自信を持ち幸せそうに見えました。そんな彼女たちの姿を見て、私もまだ人生を諦めてはいけないと思ったのです。参加後、私は人生を充実させて自信を取り戻そう、尊厳をもって自分の人生を生きていこうという希望を持てるようになりました。キャンペーンに参加したことで私も人生を変えることができたのです。今では気持ちが前向きになり、被害に遭った他の人を救いたいという思いも湧くようになりました。」

アンシュさんは現在、「Stop Acid Attacks」が運営するカフェで働いている。酸攻撃により左目は完全に失明し、右目も部分的にしか見えなくなった。2016年と今年1月に右脚と耳からの皮膚を移植する手術を行ったが、今後も長い時間をかけての移植手術を行っていかなければならない。しかしこの4年と少しの年月は、アンシュさんに強さを与え自信を取り戻させた。将来は、いつか伴侶を見つけて結婚し家庭を持ちたいと話している。

「私は、自分を襲った男のために人生を台無しにされるつもりはありません。男の人を怖いとも思いません。だって私の周りには父や3人の兄がいて、常に私を励まし支えてくれていますから。」

画像は『Storytrender 2018年7月31日付「“JILTED STRANGER MELTED MY FACE IN SLEEP” – BRAVE 20 YEAR OLD FINALLY REGAINS CONFIDENCE AFTER HORRIFIC ATTACK」(Pics from Caters News)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)