悪質タックル問題で、これまで沈黙を保ってきた日大の田中英寿理事長が8月3日、大学サイト上で、初めてコメントを掲載した。
声明は「学生ファーストの理念に立ち返って」というタイトル。ネットでは、問題発覚から4か月経ってのコメントに「遅すぎる」という批判も多い。文書の掲載だけで、会見で謝罪がないことを不誠実だと捉える人も少なくなく、「HPで掲載、というのがイマイチ本気度を感じさせない」というツッコミも出ている。
今後は大学の再生進めるべく理事長を続投「改革に取り組む」
コメントで田中理事長は、報告書にあった「日大において学生ファーストの精神が見失われていた」という言葉が胸に刺さったと書いている。
「鋭い痛みでした。もとより、大学の基本理念は『学生第一』であります。本学も例外ではありません。だが、長い歴史の中で、おろそかになっているという極めて厳しい指摘です。大学を代表し、統括しなければならない立場にあるものとして、これ以上、心に響いた言葉はありませんでした」
また、「元理事でアメリカンフットボール部のOBによる口封じがあった」という第三者委員会の指摘については、
「いかなる理由があろうとも、断じて許されないことです。なぜこんな卑劣な行為があったのか、驚愕と激しい怒りがこみ上げました。二度とあってはならないことです」
とコメントしている。
悪質タックル問題を巡っては、教職員組合などから理事長の辞職を求める声も多く出ていたが、今後については
「大学運営のトップである理事長として、教学のトップである学長と歩を一にして、これらの改革に取り組んでいく覚悟です」
と、続投の意思を表明した。
ネットでは声明文に対し、「これは田中理事長のわざとらしいパフォーマンス」という声も出ている。田中理事長は、告発状で揺れる日本ボクシング連盟の山根明会長と親しいと言われているため、「ボクシングの話題が大きくなってるタイミングで出すとはね~」といった声も少なくなかった。