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「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメは『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』

2018年08月03日 17:22  リアルサウンド

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 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。上空7620メートルなんて想像しただけでも足が震える、リアルサウンド映画部の高所恐怖症担当(でも高いところが好き)若田が『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』をプッシュします。


 公開前から、主演トム・クルーズがビルからのジャンプシーンで骨折したことが話題になっていた本作(しかも骨折したまま撮影を続行)。その瞬間は予告編にも収められています。


 その他にも、2000時間かけてライセンスを取り自らヘリを操縦するトム、上空7620メートルという酸素がほとんどない成層圏ギリギリから超高速落下する“ヘイロージャンプ”に挑戦するトム、上空を飛ぶヘリからぶら下がるロープをよじ登るトム、断崖絶壁に佇むトム……とトム・クルーズ自らが全スタントをこなし、シリーズでももっともエクストリームな作品となったのが『M:I』第6弾となる本作です。


 前述したヘイロージャンプはわりと序盤で出てくるシーンなんですが、正直、なぜわざわざ航空機に乗り込んで、その目的地にイーサン・ハントたちが上空7620メートルから降り立つ必要があるのか、私にはわかりませんでした(目的地は地上であり、街と地続きの場所です)。これは鑑賞後に知ったことですが、本作はアクションありきの作品で、撮影スタート時にはシナリオが存在しなかったそう。撮影を続けていくなかで、台詞などが決まっていったそうです(トム・クルーズは主演だけではなく製作にも携わっています)。ただ、イーサン・ハントのその行動に驚いているのは、観客だけではなく、仲間たちも一緒です。ルーサー(ヴィング・レイムス)やベンジー(サイモン・ペッグ)、イルサ(レベッカ・ファーガソン)らも「彼、何しているの?」「見ない方がいい」「そんなの無理だろ」などと言って、観客の気持ちを代弁してくれます。そしてイーサンは、その困惑もよそに、時に余裕綽々で、時に顔が引きつっているようにも見える表情で、そのアクションに果敢に挑んでいきます。


 『ワイルド・スピード』シリーズなどもそうですが、こういったアクションシーンが醍醐味の作品のなかでつい注目してしまうのは、そのロケ地。今回の『フォールアウト』のチェイスシーンは、凱旋門、オペラ座、路上などパリ中心部の観光地で撮影されています。また、最大の見どころといえるラストはニュージーランドのクイーンズタウンという南の島でのロケ。美しい緑の山脈群の中を飛び交う2機のヘリの攻防には、本当にひやひやとさせられました。


 いずれにせよ、「トム・クルーズはいったい何に突き動かされてここまでやっているんだろう……」「ここまでやったら次回作は何をやるんだろう……」と、様々な意味で感嘆させられた『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』。トム・クルーズは今年で56歳ですが、おそらく誰かに止められたとしても(すでに誰かが止めてはいるはず)、今後もこのスタントを続けていくのでしょう。トムをはじめとした『M:I』シリーズの製作者の情熱は、スクリーンを通してひしひしと感じられます。


 と、アクションシーンのことばかり書いてしまいましたが、それ以外も見どころは多々あります。スパイ映画だからこその騙し騙されもありながらも、イーサン、ルーサー、ベンジー、そしてイルサ4人のコンビネーションも見逃せない。個人的には、回を重ねるごとに成長し、でも相変わらずお茶目で隙もあるチャーミングなベンジーに注目してほしいです。また、今作では、イーサンの妻ジュリア(ミシェル・モナハン)が4作目『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』以来の再登場。ジュリアがミッションを無事に果たしたイーサンにかける言葉は、究極の愛ともいうべきもので、胸が熱くなりました。(リアルサウンド映画部)