「おめでとう、日本」
WRC世界ラリー選手権第8戦、ラリー・フィンランドの現場で、とあるWRC大会関係者から声をかけられた。てっきりトヨタ優勝のことかと思ったら、彼は「日本の2019年WRCカレンダー入りが決まったようだね」と握手を求めてきた。
その関係者によれば、WRCプロモーターは19年のカレンダー草案を作成し、そこには日本も含まれているという。今年1月にはWRC日本ラウンド招致準備委員会が発足し、2019年のWRC日本開催を目指すと宣言。
その後、準備委員会のメンバー数名がWRCラリー・ポルトガルを訪れるなど、WRCプロモーターとの交渉は進んでいた。そして、現時点でまだ正式発表はないものの、どうやら2019年のカレンダー入りがほぼ確実になったようだ。
前出の関係者の情報によれば、2019年新たに加わるイベントは、日本とチリの2戦。そのかわりに1~2戦がカレンダーから外れ、年間開催イベント数は現在と同じの13戦か、1戦増えて14戦になるという。
外れる可能性がもっとも高いのはフランスのツール・ド・コルスで、ほかにドイツと、今年ひさびさにWRCが開催されるトルコもドロップアウトライン上にある。
集客力に問題があり、遠征費用もかさむオーストラリアがカレンダー落ちするのではと噂されていたが、どうやらオーストラリアは生き残りに成功したようだ。
また、政府が招致に乗り気だったクロアチア、ケニア(サファリラリー)も、現時点では2019年カレンダーに入っていない模様。ただし、2020年以降については含まれる可能性もあり、その場合はヨーロッパ圏のイベントがさらに1、2戦落ちることになるかもしれない。
2019年カレンダーの草案を頭から見ていくと、モンテカルロ、スウェーデン、メキシコという序盤の3戦については変わらない。しかし、その後はフランスが外れ、4月のイースター休暇明けにチリが入る。
そこから2週間のインターバルを経て、同じ南米でアルゼンチンが開催。ロジスティクスを考えると合理的な流れだ。そしてポルトガル、イタリアという南欧グラベル戦で前半戦は終了。サマーブレイクを挟み、フィンランドで後半戦が始まる。
今年のカレンダーではその後ドイツ、トルコと続くが、この2戦のどちらか、もしくは両方がなくなる可能性もある。シーズン最終戦を飾っていたオーストラリアは8~9月に移り、9~10月にはスペインが行なわれる。
そして、11月上旬に愛知県や岐阜県など中部地方で、WRC日本戦がターマックラリーとして開催される。シーズンの締め括りはイギリス(GB)となるが、時期的に日本がタイトル決定戦の舞台となる可能性もある。
2019年日本開催が本当に決まったのならば、今後ルート設定など早急にフィックスしなくてはならない。コースの監修については、ミッコ・ヒルボネンの元コドライバーで、現在はWRC2で新井大輝と組むヤルモ・レーティネンが担当しているなど、準備は急ピッチで進んでいるようだ。続報を待ちたい。
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