フィアットとマツダのコラボレーションによって、2016年に誕生した『フィアット124スパイダー』がベースになっている思われるレーシングカーが、イタリア国内の複数のサーキットで目撃されている。
量産車ではフィアット製1.4リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載するフィアット/アバルト124スパイダーは、マツダ・ロードスターと基本設計を同じくするFRスポーツカーだ。
124スパイダーを使ったレースイベントは、マツダが世界各地で開催しているグローバルMX-5カップのような大規模なワンメイクレースとしては行われていないものの、同車のオーナーやチーム単位でクラブレースやジムカーナ、ラリー競技などに投入されておりモータースポーツの世界で幅広く活躍している。
今回、Sportscar365に提供されるかたちで公開されたスパイショットは、フィアット傘下で同社のコンプリートカーやレーシングカーの製作を手がけるアバルトが仕立てたと推測される車両が、モンツァでテストを実施した際に撮られたものだ。
車体全体がカモフラージュされたこのマシンは、2019年のイタリアGTでデビューすると噂される『アバルト124 GT4』のプロトタイプであると考えられており、この数週間の間にイタリア国内の複数のレーストラックでテスト走行を重ねているという。
フロントフェンダーにカナードやルーバー、サイドフェンスなどが追加され、リヤには大型スポイラーとディフューザーを備えるこのマシンの詳細は現時点で明らかになっておらず。また、フィアット/アバルトもメーカーとして、車両およびイタリアGTへの参戦について正式なコメントを発表していない。
GT3マシンのスピードアップや価格高騰に伴い、これまでGT3でレースをしてきたジェントルマンドライバーの間でGT4カテゴリーに注目が集まっている昨今、アウディやBMW、メルセデスAMGといったドイツメーカー勢に続いて、イタリアからまた新たなマシンが登場することとなれば、GT4カーへの注目はさらに高まっていくことになるだろう。