2018年08月03日 12:22 弁護士ドットコム
栃木県今市市(現・日光市)で2005年、小学1年生の女児が殺害された事件で、殺人罪などに問われた勝又拓哉被告人の控訴審で、東京高裁(藤井敏明裁判長)は8月3日、無期懲役とした1審を破棄したうえで、あらためて無期懲役の有罪判決を言い渡した。
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主文言い渡し直後、「足利事件」で再審無罪となった菅家利和さんが東京高裁の敷地前で報道陣の取材に応じた。菅家さんは「非常に残念だ。今日で終わると思っていた。何のためにたたかっているのか。この事件は冤罪なんですよ。私は絶対に許さない」と語気を強めた。
また、「布川事件」で再審無罪となった桜井昌司さんは「裁判官は、事実を見る目がなさすぎる。(今回の事件で)証拠があるのか。なぜこんなことが繰り返されるのか。裁判所に正義はあるのか。怒りと悔しさでいっぱいだ」と訴えた。
この事件をめぐっては、勝又被告人は捜査段階で、女児の殺害を自白したが、公判で一貫して無罪を主張。決定的な客観証拠がなく、取り調べ当時の様子を録音・録画した映像などから、1審・宇都宮地裁(裁判員裁判)は無期懲役として、被告人側が控訴していた。
(弁護士ドットコムニュース)