モンスターエナジーNASCARカップは7月29日、第21戦ポコノが行われ、カイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)が優勝。シーズン6勝目を挙げた。
“トリッキー・トライアングル”の呼び名で知られるポコノ・レースウェイは三角形型をした独特なオーバルコース。1周が2.5マイル(約4キロ)と長いのも特徴だ。
現地28日に行われた予選ではチェイス・エリオット(シボレー・カマロZL1)がトップにつけ、2番手にカイル・ブッシュが続く形に。
しかし、両者は予選後の車検で違反が見つかったためにタイム抹消。3番手だったダニエル・スアレツ(トヨタ・カムリ)が繰り上がりで自身初ポールを手にした。
50周、50周、60周の計160周で争われたレースでは、タイム抹消の憂き目にあったエリオットがじわじわとポジションを上げ、ステージ1残り11周でトップに浮上。そのまま逃げ切りステージ1を制した。
ステージ2では、ステージ1からのインターバル中にピットへ入らなかったエリック・ジョーンズ(トヨタ・カムリ)、マーティン・トゥルーエクスJr.(トヨタ・カムリ)の2台がワン・ツー体制で幕開け。
しかし、トゥルーエクスJr.はマシンのハンドリングに苦しみ、徐々に後退。代わって62周目にはケビン・ハービック(フォード・フュージョン)が2番手に浮上し、その2周後にはジョーンズを交わしてトップにおどり出た。
首位に浮上したハービックは、そのままステージ2終了までポジションを守りきってステージ制覇。2位にエリオット、3位にクリント・ボウヤー(フォード・フュージョン)が続いた。
最終ステージ3は2番手でスタートしたカイル・ブッシュが好ペースを維持。112周目にはトップに浮上する。
その後方からは前日、自身初ポールを手にしたスアレツが猛追。一時は2秒以上あったギャップをじわじわと詰めていったが、レース残り7周で他車がクラッシュしたためイエローコーションに。レースは残り3周で再スタートとなる。
しかし、このリスタートでもクラッシュが起きたため、レースは延長戦“オーバータイム”に突入。このリスタートではカイル・ブッシュとスアレツ、3番手のジョーンズがスリーワイドのバトルを繰り広げたが、カイル・ブッシュが一足先に抜き出て、そのままチェッカー。
カイル・ブッシュは、今季通算6勝目を挙げるとともに、カップシリーズ通算49勝目を達成。カップシリーズ参戦2年目のスアレツがベストリザルトとなる2位、3位にはアレックス・ボウマン(シボレー・カマロZL1)が続いた。
チェッカー後、バーンアウトして喜びを爆発させたカイル・ブッシュは「チームメイトのスアレツは素晴らしい走りをしていた」とベストリザルトを更新したチームメイトをたたえている。
「彼は今日、3番目に調子のいいドライバーだったと思う。1番は(ケビン)ハービックで、僕が2番目。そしてスアレツが3番目だ」
「最後のリスタートで、僕はタイヤを少しスピンさせすぎたけど、スアレツはいいスタートを切っていた。だから最後(ジョーンズとの)スリーワイドのバトルに発展したと思う」
「そこでスアレツとジョーンズがバトルしてくれたから、僕は一歩前に出ることができたんだ」
モンスターエナジーNASCARカップ第22戦は8月5日、ニューヨーク州ワトキンスグレンにあるロードコース、ワトキンスグレン・インターナショナルで行われる。