フレデリック・ワイズマン監督の映画『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』が10月から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。
1967年の第1作目から50年以上のキャリアを持つドキュメンタリー監督のフレデリック・ワイズマン。40作目となる『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』はニューヨーク・クイーンズ北西部の街ジャクソンハイツを題材にした作品だ。
作中では多くの移民とその子孫が暮らし、167におよぶ言語が話されるジャクソンハイツを舞台に、教会やモスク、レストラン、コインランドリーといった場所や、地域のボランティア、セクシャルマイノリティー、不法滞在者、再開発の波にのまれる商店主らの姿を通して、アイデンティティーの危機に瀕した街の様子を映し出す。原題は『IN JACKSON HEIGHTS』。
ワイズマンの監督作のうち、これまで劇場公開されてきたのは『パリ・オペラ座のすべて』『クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち』『ナショナル・ギャラリー英国の至宝』など、舞台やアートに関わる映画のみ。長年にわたりアメリカを観察し記録してきたワイズマンにとって、アメリカの街を題材にした作品が日本で劇場公開されるのは今回が初となる。