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百貨店も"買う"から"借りる"へ、三越伊勢丹がシェアリングサービス開始

2018年08月01日 14:43  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

「CARITE」デモンストレーションの様子 Image by: FASHIONSNAP.COM
三越伊勢丹がシェアリングサービス事業に本格参入する。銀座三越は8月1日の今日から11月30日までの期間、富士通との協業で開発したドレスのシェアリングサービス「カリテ(CARITE)」を用いた期間限定ショップを同館3階プロモーションスペースにオープン。今後、同社では購買との兼ね合いなどに関する検証や期間限定ショップの反響を見て、常設展開や他店舗での展開を検討していくという。

 「カリテ」は、ブライダルへの出席や女子会など特別な日のためのアイテムをアプリを通じて有料レンタルできるサービス。ドレスを中心としたウィメンズウェアを揃え、「デラ(DHELA)」や「フリッカ(FLICKA)」「ヘルムート ラング(HELMUT LANG)」「セルフポートレイト(self-portrait)」など13ブランド約200着のアイテムをラインナップする。往復の配送料・クリーニング代などを含む中心価格帯は1万2,000円~1万5,000円で、利用者は2泊3日でレンタルできる。アプリでは商品に付いたQRコードを読み取ることで、お気に入り登録やレンタル、チャットを通じたスタイリング相談などを行うことが可能。銀座三越で店頭販売を行っているアイテムも取り扱われている。
 「カリテ」の提供により三越伊勢丹は、従来の商品の購入提案から"シェアする"といった新しい価値を提案することで顧客の購買行動を広げ、顧客満足度の向上を図る。また、アプリを使用した新しい販売手法を取り入れることにより百貨店の利用率が低い若年層の新規顧客獲得を目指すという。富士通の共創ビジネスグループVP 佐藤俊也は、「カリテ」の展開について「カリテは三越伊勢丹の強みである『実店舗』と『おもてなし』を最大限に生かしたサービス。流通業界のリーダーである三越伊勢丹と共にリアルとデジタルが融合した新しいショッピング体験の創出を牽引していきたい」とコメント。三越伊勢丹の広報担当者は「長年培ってきた信頼力やブランド各社と構築してきた関係性により、他のレンタルサービスで提供していないブランドのアイテムを集めることができた」と百貨店ならではの強みを挙げ、既存ビジネスへの影響については「購買とレンタルで客層が異なるので棲み分けはできるのでは」と説明している。