2018年07月31日 10:52 弁護士ドットコム
夫の浮気が発覚し、姑に相談。すると姑は「浮気のきっかけを作った」と女性(妻)を非難した上、「離婚したくなければあれをすれ(しろ)、これをすれ(しろ)」と上から目線の説教を毎日してくる。そんな暮らしに耐えかねて離婚を考えている女性が、弁護士ドットコムに相談を寄せました。
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相談者には小学生の娘と産まれたばかりの息子がおり、夫の両親と同居中。姑からの口出しがあまりに多く、「やめて欲しい」と伝えたそうです。すると夫は「母に謝れ」と味方になることもなかったそうです。さらに姑は「離婚するなら、娘を引き取るから」と主張してきました。
姑が親権者になることはあるのでしょうか。また、娘は夫(姑)のもとに、息子は相談者のもとに、など親権者がきょうだいでバラバラになることは認められてしまうのでしょうか。木下貴子弁護士に聞きました。
姑が娘を引き取るという主張は法的に認められるのでしょうか。
「よく寄せられる質問ではあるのですが、姑は、親権者にはなりえません。あくまで親権者は、父か母か、です。そこで法的には、姑の気持ちを夫が代弁し、夫が親権者として引き取る、と希望することになります」
この相談者は子どもが2人います。子どもの親権がバラバラになることはあるのでしょうか。
「主張することは可能です。もっとも、裁判所は、原則として、兄弟の親権者を分けない方が子の福祉にとって良いと考えています。親権争いとなって、裁判官が親権者を決める場合は、親権者を分けることは、ほとんどありません」
相談者が親権を獲得するためには、どのようなことを主張するべきでしょうか。
「親権を獲得するために必要な主張は、分かりやすく言うと、自分と生活する方が子どもにとって幸せになる、ということ(裁判所では「子の福祉」と表現します)です。そのための判断要素は、現在の養育状況やこれまでの養育実績などです。
今回のケースでは、娘さんを主に養育してきたのがご相談者であること、どのように養育してきて、今娘さんとご相談者にどんな深い愛着関係があるのか具体的に説明すると良いでしょう。息子さんと娘さんの親権者を分けるべきでない、という主張をすることもよいでしょう」
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
木下 貴子(きのした・たかこ)弁護士
離婚・親権・養育費の分野で1000件以上の案件を扱う。「離婚後の親子関係の援助について」「養育費」をテーマに講演。離婚調停での「話し方」アドバイスブックはこれまでに1万人以上が利用している。著書「離婚調停は話し方で変わる」がAmazon法律部門他ランキング第1位獲得。
事務所名:多治見ききょう法律事務所
事務所URL:http://tajimi-law.com