2018鈴鹿8耐 表彰式 YAMAHA FACTORY RACING TEAMが鈴鹿8耐4連覇、通算8回目の優勝を獲得
2017 FIM世界耐久選手権シリーズ最終戦“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第41回大会
2018年7月29日(日)、三重県鈴鹿市で、“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第41回大会の決勝が行われ、 「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」の中須賀克行選手、アレックス・ローズ選手、マイケル・ファン・デル・マーク選手が、1998年の発売以来、20周年を迎えたYZF-R1で199周を走破し、2017年の鈴鹿8耐3連覇の記録を更新する4連覇、通算8回目の優勝を達成しました。
第41回大会は、前日の転倒による怪我で中須賀選手を欠き、さらにスタート直前に雨が降る難しいコンディションでスタート。この中でスタートライダーを務めたファン・デル・マーク選手は、オープニングラップを3番手で終えます。その後、雨が止むとコースは乾きはじめ、スタートから約30分でドライ用のタイヤに変更。この素早い対応が功を奏し、ファン・デル・マーク選手はトップグループで1時間40分弱を走行してYZF-R1をローズ選手に託しました。
ローズ選手もトップ争いを展開し、スタートから約2時間が経過した頃にトップへ浮上。その後もライバルとのバトルは続きましたが、ファン・デル・マークがトップ走行時にそのマージンを拡大。ところが午後4時過ぎ、すぐに上がったものの激しい雨が降りはじめ、セーフティーカーの介入やレインタイヤへの交換などにより、レースは#33ホンダとの戦いになりました。そしてファン・デル・マーク選手がライバルを引き離し、ローズ選手もマージンを拡大すると、YZF-R1とともにトータル199周を走破し当社新記録となる4連覇を達成しました。また、走行できませんでしたが、中須賀選手が個人最多となる4連覇を記録し、ファン・デル・マーク選手とともに鈴鹿8耐優勝記録では史上2番目となる4勝としました。
GMT94 Yamaha Official EWC Teamは、突然の天候変化による様々なアクシデントをものともせず確実に順位を上げ6位とし、年間ランキングでは2位を獲得。YART Yamaha Official EWC Teamはレース前半で転倒してリタイアとなり、年間ランキングは16位でした。
#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
決勝:優勝(199周:8:00'01.728)
中須賀克行選手談
「自分が走ることができず、こんなに悔しいことはありませんが、アレックスそしてマイケルとチームメイトになれて、そして彼ら2人が勝つことができたことはチームメイトとして本当にうれしく思います。こんなに心強いチームメイトは他に探してもいないと思いますし、彼らともう一度一緒に鈴鹿8耐を戦うために、自分のポテンシャルをさらに高めたいと思っています。ヤマハの連覇記録を更新できたこともうれしいし、YZF-R1の20周年に華を添えることができたのもうれしいです。本当にアレックスとマイケルには感謝しています」
アレックス・ローズ選手談
「中須賀さんが走らないレースなんて初めてで、すごくタフではあったけど楽しみました。中須賀さんが中心となってセットアップを進めたYZF-R1は、決勝でも非常によく走ってくれました。チームのがんばりにも感謝しています。なによりもチームメイトのマイケルがいい走りをしてくれましたね。僕のスティントはなぜかコンディションが安定していたんですが、マイケルの時は雨が降ったりセーフティーカーが入ったりして大変だったと思います。でも、すばらしい走りで勝利に貢献してくれました。それにしても鈴鹿8耐での勝利は格別ですね! ぜひ来年もこのメンバーでレースできることを願っています」
マイケル・ファン・デル・マーク選手談
「すごくタフなレースでした。いろいろあったレースウィークでしたが、チームは基本的に作戦を変えませんでした。それがうまくいったんだと思います。僕自身としては、中須賀さんが決勝を走らないと聞かされた時は、とても驚きましたよ。僕がスタートライダーを務めることになって、緊張もしました。しかも僕の走るスティントはすごく長かったし、レインになったりドライになったりセーフティカーが入ったりして本当に大変だったんです。でもアレックスと僕で、うまくレースをリードできたと思います。またこの3人でチームを組んで、今度は中須賀さんにも走ってもらって、鈴鹿8耐を戦いたいですね!」
吉川和多留監督談
「ローズ選手とファン・デル・マーク選手は、レース序盤では同じスーパーバイク世界選手権を戦うライダーやブリティッシュスーパーバイクを戦うライダーたちといいレースをしていたし、これで一気に集中力が高まりました。レース自体は、天候の急変が続いて荒れた展開になりましたが、チームスタッフはサーキット全体を見渡すことは不可能なので、ライダーのポテンシャルの高さを信じて時には自己判断してもらう部分もありましたが、これがしっかり機能しました。ミスなくしっかりと戦えたことが今大会の勝因ですが、レースを走れなかった中須賀選手が、しっかりとローズ選手とファン・デル・マーク選手をサポートしていてくれたことがなによりの勝因です」
#94 GMT94 Yamaha Official EWC Team(年間ランキング2位)
決勝:6位(196周:8:01'48.403)
デビット・チェカ選手談
「敗北は苦いものですが、勝つまでには何度か味わうものでもあります。過去2シーズン、僕たちのチームはEWCでとてもいい戦いをして、2016年にはランキング2位、2016-2017シーズンはチャンピオンを獲得しました。2017-2018シーズンももちろんチャンピオン獲得をめざしましたが、鈴鹿8耐の結果により、ランキング2位という残念な結果に終わりました。これがレースです。来シーズンがどうなるかはまだわかりませんが、どのレースを戦うにしても、チームメイトとともにベストを尽くすという自分の姿勢を変えるつもりはありません」
ニッコロ・カネパ手談
「この2シーズンでEWCのタイトルとランキング2位を得ることができたので、とてもハッピーです。僕のレースキャリアの中でもベストなシーズンになりました。今季はちょっと不運がありましたが、チームとしてベストを尽くしたので悔いはありません。GMT94がEWC参戦に幕を下ろすのは非常に残念ですが、チームメンバーとしてともに戦った経験は僕にとってすばらしいものになりました」
マイク・ディ・メリオ選手談
「いいレースができましたが、路面コンディションがめまぐるしく変わってとてもタフでしたね。僕たちはEWC最終戦の鈴鹿8耐でチャンピオンを獲得すべく全力を尽くしましたが、ルマン24時間でのクラッシュが響き、結局ランキング2位でシーズンを終えました。残念ですが、各レースでポイントをリカバリーできたので、内容としては満足です。2シーズンを一緒に戦ったチームメイトにも、すばらしい機会を与えてくれたヤマハにも感謝しています。特に鈴鹿8耐ではスーパースターのように扱ってもらえたんです。GMT94がEWC参戦を休止するのは残念ですが、彼らは新たなチャレンジにもベストを尽くすはずです」
クリストフ・グィオ監督談
「ここ鈴鹿でEWCは最終戦を迎えましたが、いつものように今季もすばらしいシーズンになりました。まずはチャンピオンを獲得したTSRを心から祝福したいです。藤井監督はじめ、TSRは見事な戦いぶりでした。我々も諦めることなく最後までベストを尽くして戦い続けましたが、彼らには残念ながら届きませんでした。でも、これも耐久レースです。来季は基本的にWSSに参戦することになり、鈴鹿8耐への挑戦がどうなるかは未定です。鈴鹿8耐は常に強いライバルたちがたくさんいるので非常に厳しい戦いだったのですが、2012年に3位表彰台に立てたことは忘れがたい思い出になっています。またいつの日か、鈴鹿8耐に戻って来たいですね!」
YART Yamaha Official EWC Team(リタイア/年間ランキング16位)
決勝:リタイア
ブロック・パークス選手談
「レース全体としては順調に運んでいました。スタート直後はタイヤが十分に温まっておらず、少し出遅れてしまいましたが、すぐ挽回しファクトリーチームの直後につけることができました。そのまま順調にいっていれば上位フィニッシュも可能だったと思います。しかし残念ながらタクヤが転倒してしまいました。新しいタイヤで少しマシンを寝かせすぎてしまったようですね。でも、こういったことが起こり得るのも耐久レースです。タクヤの転倒の後もレースを続けようとしてコースに戻りましたが、フロントまわりにトラブルが出てしまい、続行を断念しました。非常に残念な結果ですが、勝つために何が必要なのかを十分にチームやヤマハと話し合って、また来年鈴鹿に戻ってきます」
マービン・フリッツ選手談
「路面コンディションがめまぐるしく変わる難しいレースでしたが、走りながらいいリズムを作ることができ、自分としてはベストを尽くせました。タクヤにバトンタッチしましたが、路面は彼の想像以上にスリッピーだったのだと思います。タクヤが転倒してしまったのは残念ですが、これもレースです。ただ、自分たちのペースで走れば上位につけられることがわかったし、全体としてはいいレースウィークだったと思います。僕自身はヤマハで2回目の鈴鹿8耐で、大きなプレッシャーもありましたが、自己ベストをマークできたし“ネクストステップ”に進めたと思います」
マンディ・カインツ監督談
「いろいろな意味で、難しい鈴鹿8耐でしたね。決勝はすべてがうまく運んでおり、上位を走ることができていました。残念ながらタクヤが転倒してしまいましたが、彼なりにベストを尽くし、攻めの走りをした結果。レースをしている以上起こり得ることだと思っています。私たちがEWCチームの中でかなりのパフォーマンスを持っていることは証明できました。また来年も戻ってきます」