元アストンマーチンワークスドライバーで、2017年のル・マン24時間ではラルブル・コンペティションのシボレー・コルベットC7.Rを駆りLM-GTEアマクラスのポールポジションを獲得したブラジル人ドライバー、フェルナンド・リースが7月25日、レーシングドライバーから退くと発表した。
現在33歳のリースは2014年から3年間、アストンマーチン・レーシングのワークスドライバーとしてWEC世界耐久選手権のLM-GTEプロクラスに参戦。同チームの体制変更によってレギュラーシートを喪失した昨シーズンは、2012~2013に所属したGTEアマクラスのラルブル・コンペティションからル・マン24時間にスポット参戦し、同クラスのポールポジションを獲得している。
フルシーズンを戦うことを目指した2018年は当初、WECのLMP2クラスに活動の場を移したラルブル・コンペティションに加わり2018/19年のWEC“スーパーシーズン”に臨むとアナウンスされていたが、シーズン開幕直前になって資金面での問題が発生してしまう。結局この問題は解決に至らず、リースはふたたびWECのシートを失うこととなった。
25日、自身のInstagramで現役引退を発表したリースは「僕の人生のなかで、より興味を持てるものを見つけたんだ」というコメントをファンに向けて投稿。
また「ここ数カ月の間に頭の中で多くの考えを巡らせた結果、今はレースをやめることに決めたんだ。これは僕自身が下した決定であり、僕はこの選択に満足している」と語った。
「これまで両肩にかかっていた重荷がとれたような気分だよ。今は人生における次の挑戦に対して、自分自身を捧げることができるようになったことに幸せを感じているんだ」
「プロのレーシングドライバーは幼少期の僕にとって唯一無二の夢だった。おそらく、僕の人生の中で初めて自分自身で決めた考えだったんじゃないかな。その後、僕はこの夢を叶えるこことができた。10年以上モータースポーツと関わりながら生きてこられたこと、そして僕をサポートしてくれた人々にとても感謝している」
リースは今後出版する書籍を通じて、自身がレーシングドライバーからの引退を決めた理由などを説明する予定だという。なお、現在ヨーロッパで参戦中のインターコンチネンタルGTオープンについては語られていない。