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WRC:トヨタ、ホームのフィンランド連勝。マキネン「オットは信じられないような走りを続けた」

2018年07月30日 12:31  AUTOSPORT web

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2018年のラリー・フィンランドにはトヨタ自動車の豊田章男社長も応援に駆けつけた
7月26~29日に行われたWRC世界ラリー選手権第8戦フィンランド。3台のトヨタ・ヤリスWRCを投入したTOYOTA GAZOO Racing WRTは首位を快走していたオット・タナクがシーズン2勝目を獲得、エースのヤリ-マティ・ラトバラも3位表彰台を手にした。昨年の大会覇者であるエサペッカ・ラッピは最終日最初のステージ終盤でクラッシュしてリタイアしている。

 フィンランドにファクトリーを構えており、ラリー・フィンランドをホームイベントとして臨んだトヨタ陣営。初日からトップを守る走りをみせてきたタナクは、40秒近い大量リードを築いて競技最終日に挑んだ。

 競技最終日、タナクは充分なマージンをもとにオープニングのSS20~22まではリスクを避けた走りに徹すると、ステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージの最終SS23では猛プッシュ。ステージ2位につけた総合2番手のマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)に0.5秒差をつけてステージ最速タイムを刻むとともに、第5戦アルゼンチン以来となるシーズン2度目の総合優勝を達成した

 トヨタはこれで今季2勝目、2017年のWRC復帰からは通算4勝目。ポイントランキングではタナクがランキング首位のティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)と46点差、ランキング2位のセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)と25点差に詰め寄ったほか、チームランキングではトヨタがランキング2位のMスポーツ・フォードに1点差まで迫っている。

 タナクは最終ステージを走りきり優勝を決めた直後、走りを見守っていた妻とキスを交わして喜びを分かち合ったほか、チーム総代表を務める豊田章男トヨタ自動車社長やチーム代表のトミ・マキネンとともにヤリスWRCのルーフに登って喜びを爆発させた。

「すべてが自分が望んだように進み、完璧な週末となった」とタナク。

「金曜日は早い出走順によってかなり苦労したけど、その後はリードを拡げていくことができた」

「完璧な準備をしてラリーに臨み、チームも手厚くサポートをしてくれた。すべてがひとつになれば、このようないい結果が得られるんだ」

「僕にとってホームイベントのようなこの1戦で、フィンランドに拠点を置くチームとともに挙げた優勝は特別なもの。そして、サポートしてくれた人々の前での勝利は格別な気分だ」

■ラトバラは逆転ならずも第1戦以来の表彰台。若手ラッピは無念のリタイア

 総合2番手と5.4秒差の総合3番手で最終日に臨んだラトバラはSS21~22でステージ優勝を飾り、ギャップを2.5秒まで縮めたものの、最終SSでの逆転は叶わず。それでも第1戦モンテカルロ以来となる表彰台フィニッシュを飾った。

 一時は総合8番手までポジションを落としたものの、総合4番手までポジションを挽回してきたラッピは、この日最初のSS20フィニッシュ直前にクラッシュ。マシンフロントを破損して走行を続けることができなくなり、リタイアを余儀なくされた。

 なお、この週末、トヨタ所属の3ドライバーは全23SS中18SSでトップタイムを刻む圧倒的パフォーマンスを披露。高速グラベル(未舗装路)ラリーでマシンが高いポテンシャルを秘めていることを証明した。

 チームの指揮を執るマキネンは「何という週末、何というラリーだろう!」と喜びを語った。

「我々にとって本当に素晴らしい瞬間だった。特にオット(タナク)は、信じられないような走りを続け、最終のパワーステージでも勝利した」

「また、最終ステージまで2位の座を競い続けたヤリ-マティ(ラトバラ)の戦いも素晴らしかったと思う。彼の2位浮上は叶わなかったが、それでも我々にとってのホームイベントでこのような良い結果を得られたことに、とても満足しているよ」

 次戦のWRC第9戦は8月16~19日に行われるラリー・ドイツ(ラリー・ドイチェランド)。第4戦ツール・ド・コルス以来となるフルターマック(舗装路)イベントで、風光明媚なぶどう畑の中や軍事演習場内、峠道などバラエティに富んだステージで争われる。