2018年F1ハンガリーGP決勝で、メルセデスのバルテリ・ボッタスは5位に終わった。彼のレースを称賛するチーム代表トト・ウォルフが「完璧なサポート役」という言葉を使ったことが、小さな波乱を巻き起こした。
ボッタスは首位を走るルイス・ハミルトンの後ろを走っていたが、キミ・ライコネンをカバーするために早めのピットインを指示され、その影響でセカンドスティントが非常に長くなった。タイヤが苦しい状況になりながら、セバスチャン・ベッテルとライコネンを抑え続けた後に、結局、レース終盤にベッテルとライコネンに抜かれたボッタスは、その後、ダニエル・リカルドにもオーバーテイクされて5位に後退した。その時点でハミルトンはフェラーリ勢に大差をつけており、余裕で勝利を飾ることができた。
ボッタスは追い越される際にベッテル、リカルドと接触、リカルドとのアクシデントについては10秒のタイムペナルティとペナルティポイント2を科された。
「5位だなんて悔しい。もっといい結果を目指していた。1‐2フィニッシュの後、夏休みに入れれば最高だったのに」とボッタスはレース後に語った。
「できることはすべてやったけれど、ソフトタイヤでのスティントが長すぎた。理論的には1回ストップの戦略はうまく機能するはずだったが、僕の場合、キミをカバーするために、彼の1周後に、予定を早めてピットインしなければならなかった。最後の15周から20周ぐらいまでは、うまく行っており、ペースをコントロールして走り、ポジションを脅かされるような状況でもなかった。でもその後、リヤタイヤがだめになり始めたんだ」
「レース終盤、セバスチャンとの間にアクシデントが起きた。ターン2への進入で彼はアウト側にいて、僕はイン側にノーズを入れている状況だった。彼がターンインした時、僕は行き場を失い、接触し、僕のフロントウイングが壊れた。僕としては、あれはレーシングインシデントだと思っている。その後のダニエルとの一件についても考えは同じだ。その時も僕がイン側にいて、彼はアウト側にいた。あの時、フロントウイングが半分なくなった状態だったから、僕はロックアップして、2台が接触した」
「これから休暇に入れるのがありがたい。少し休んで、強くなって戻って来るよ」
■「ウイングマン」発言をメルセデス代表が弁明、ボッタスも納得
ウォルフはSky Sportsに対し、「バルテリは表彰台に値する。彼はウイングマン(サポート役)として最高の走りをした」と語った。
これを伝え聞いたボッタスは「“ウイングマン”という言葉は傷つくね」と発言していた。しかしその後、両者は話し合ったのか、ボッタスは改めてコメントを発表、チームとの間にわだかまりはないことを強調した。
「トトが僕のことを今回のレースでは完璧なウイングマンだったと言ったことについて、僕がボスたちとの話し合いを求めたという事実はない」とボッタス。
「そんな必要はないからだ。僕は自分のレース結果にがっかりしていて、何でもネガティブな見方をしてしまいがちだった。でも彼の真意は分かっている。もしルイスが今日の僕と同じ状況だったとしたら、トトは彼についても同じことを言っただろう」
「僕らは平等な条件で走っている。それについてチームを100パーセント信頼している」
ウォルフも後に弁明、「バルテリは2番グリッドからスタートし、ウイングマンとして完璧なレースをした。それは選手権争い全体において言っているのではない。我々のチームにはナンバー1もナンバー2もないからだ。単に今日の彼のレースについて言っただけだ」
「ウイングマンという言葉は彼を正当に評価する言い回しではないかもしれない。彼は素晴らしいレースをし、ルイスがリードを広げるのを助けた」
「バルテリはメルセデスに加入して以来、ここまででベストのレースをしたと思う」